ここでは、天皇賞・春を振り返ってみたいと思います。
天皇賞・春
1着・フィエールマン
父ディープインパクト、形相遺伝として影響が強いのは母母の父と診ています。
ローテ的体力は料的遺伝4.00であり、激走後は中5週程度は必要。
今年は13頭立てとやや寂しくなった天皇賞・春ですが、キセキやブラストワンピースといった古馬一線級の回避や、シャケトラへの合掌などがありましたが、やはりこのカテゴリーの凋落ぶりが著しいと感じます。平成の時代で最も軽視され、凋落が進んだのがこの長距離路線です。
私は「平成の天皇賞・春」と言えば、やはり平成4年のメジロマックイーンとトウカイテイオーの「世紀の対決」と呼ばれたレースが一番に思い出されます。
当時「どちらが強いんだ」と大いに盛り上がったことを覚えていますが、近年はそのように盛り上がることも無くなり、すっかり様変わりしてしまいました。
レースは序盤1000m通過が59秒8とタイトに入りましたが、中盤2000m通過が2分4秒という典型的な中弛みとなり、最後の坂を下ったところで早くも先頭に立った本馬が押し切りました。
本馬の形相遺伝の対象と診ている母母の父 Noir Et Or は、20戦7勝という成績で仏G2エヴリ大賞、同コンセイユドパリ賞という2400mでの勝利があり、G1は勝利はありませんでしたが、サンクルー大賞3着という実績があります。
更にこの Noir Et Or を調べると、日本にも種牡馬として輸入された父ラインゴールドを形相遺伝の対象としており、そのラインゴールドはサンクルー大賞2連覇、凱旋門賞、ガネー賞というG1勝利がある17戦9勝の名馬です。
ちなみにこのラインゴールドは、日本で種牡馬としてはこれといった活躍馬を輩出することはできませんでした。
本馬はこの血統背景から診て、欧州型の中長~長距離型であり、配合的に頭脳も良好と診ています。中山や福島の小回りで立ち遅れてしまうのは、欧州型の本馬にとっては当然とも言える走りだと思います。
菊花賞でも思いましたが、欧州フランス仕様の血統背景の本馬にフランス出身のルメール騎手で勝利するあたり、所謂「手が合う」ということを再認識しました。
それにしても今年のメンバー構成は、G1馬が本馬のみであり、そしてサンデー系が13頭中11頭、キンカメ産駒1頭、その他1頭といった構成で、血が溢れ返っていて活力を失っている父系ばかりでした。
レースが行われる以上、この中から1着馬が出る訳ですから、唯一頭のG1馬である本馬が能力を示して勝利を収めたのは、ある意味順当とも言えます。最後の直線で叩き合った相手が、同じディープ産駒のグローリーヴェイズだったことも幸運だったと診ます。
古くから種牡馬検定レースとして機能してきた天皇賞ですが、カテゴリーとしての凋落と合わせて、種牡馬検定としての機能も凋落していると診ます。
本馬の今後についてですが、本馬は凱旋門賞に登録があり、陣営は今回の勝利で参戦へ本腰を入れると思われます。
恐らく日本馬が参戦となると、地元では水を大量に撒いてでも道悪馬場を造ると思われます。昨年クリンチャーが参戦した際は、芝を短く刈り込み、降雨が少ない天候続きでしたが、水を撒くことはありませんでした。アウェイとはそういうものです。
相手関係以前に、この馬場に本馬が対応できるかどうか、血統的には答えがあるのですが、ここでは伏せておきます。
それから2番人気に押されたエタリオウについて、道中ポツンと離れたシンガリから進み、道中後半から進出しましたが、最後の直線ではパフォーマプロミスとの叩き合いにも敗れ4着となりました。
この騎乗については、かなり物議を醸しているようです。調教師のコメントから診ても陣営の作戦ではなく、鞍上の判断ということが分かります。
私はこの騎乗を見て、皐月賞の最後の直線を思い出しました。
皐月賞の振り返りで触れておりましたが、共同通信杯の最後の直線でM・デムーロ騎手鞍上のアドマイヤマーズは、勝ち馬ダノンキングリーに内から差されて敗れており、この際の負け方によって、ダノンキングリーに対するコンプレックスが生じたのではないかと懸念していました。
そして皐月賞の最後の直線では、内を選択したダノンキングリーに対し、M・デムーロ騎手は他馬を挟んでダノンキングリーが見えなくなるように馬場の真ん中を選択しています。
結局、馬群がバラけて対象馬が視界に入り4着に終わりましたが、私はコンプレックスの要因があったものと診ており、この点においては、鞍上が最後の直線でダノンキングリーを避ける進路取りをしたことは好判断と診ておりました。
これに照らせば、私の推測ですが、今回エタリオウ鞍上のM・デムーロ騎手がポツンとシンガリ追走策を選択したことは、菊花賞における最後の直線において、エタリオウがフィエールマンに競り負けたことにより、コンプレックスが生じていると認識しているものと思われます。
コンプレックスが生じている相手と同じレースで走る場合、何の工夫も無く走ったのでは力を発揮することは難しく、できるだけ相手が見えなくなるような工夫を施すことにより、一つでも上の着順を目指すことになります。
皐月賞と今回のM・デムーロ騎手の騎乗を見ると、コンプレックスの概念を踏まえた工夫を施したのではないか、と診ることができます。
思い切って逃げるか、思い切って下げるか、今回逃げ馬が複数いるという展開では、思い切って下げるという選択は仕方なかったと思われ、批判を浴びているようですが、採りうる工夫を施した騎乗と私は診ています。
フィエールマンが直線入口で既に先頭に立っていたこともあり、工夫は実らず4着に終わりましたが、仮にフィエールマンを道中ピッタリマークするような作戦だったら、4着よりも着順が悪くなっていた可能性はあります。
結局、フィエールマンが先頭にいて力を発揮できない中での3着争いでパフォーマプロミスに競り負け、今回新たなコンプレックスが生じることとなりました。馬の記憶はおよそ1年前後とされており、本馬には長期休養も必要かと思われます。
さて、私は「競馬最強の法則5月号」において、キセキとブラストワンピースが参戦する前提で早出し見解をしておりましたが、結局両馬とも出走しませんでした。
キセキが「血統ペース」を作り出す想定逃げ馬としていたことから、見解が根底から変わることになりましたが、記事内容については、締め切りの都合もあったことから何卒ご理解願います。
そして、改めてメルマガ及び単発記事にて配信した予想では、想定逃げ馬をヴォージュとし、8番人気パフォーマプロミスを本命評価しておりました。
そして今回のメンバー構成ではディープ産駒も評価せざるを得ず、1~2着馬も評価対象として読者様の一定のお役に立てたものと考えております。
その私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。
先週は3重賞を予想評価しましたが、青葉賞では6番人気4着キタサンバルカンを本命評価とし、1~2着馬については対抗及び単穴評価としておりました。
結局、先行・内枠勢で決まったレースでしたので、キタサンバルカンはメンバー最速の上りで最後は迫りましたが、位置取りが後ろ過ぎた印象があります。
そして平成最後の重賞となった新潟大賞典では、7番人気1着メールドグラースを本命評価としており、平成最後の重賞もお役に立てたものと考えております。
これで「平成」の競馬も終わりを告げ、今週末からは「令和」の競馬となります。
私は「昭和」の終盤から競馬を見てきましたが、中央競馬が「平成」で最も変わったのは「馬場」だと思います。
昔の秋~冬そして春先の競馬は、芝は一言で言えば茶色でしたが、馬場管理技術が向上して現在は通年で緑青としています。
JC創設期には海外のホースマンからは、東京競馬場のコースを見て「ターフはどこにあるのか?」と秋枯れの芝をこき下ろされてきましたが、競馬関係者の努力により世界に誇れる?芝コースとなっています。
そして、このことにより芝コースの軽度化・高速化が進み、競走馬の血統構成まで塗り替えることに繋がりました。
「令和」の競馬は一体どこに行くのでしょうか。私は期待と不安の両方を持って臨んでいきたいと思います。
私のコンテンツについては、現在取り組んでいるメルマガ「重賞分析極秘ファイル」そしてレジまぐでの単発記事予想、ウマい馬券での予想など「令和」に入っても引き続き取り組んでまいります。
ブログでもご報告しているように、私のコンテンツは毎週読者様の一定のお役に立てている内容と自負しておりますので、ご贔屓にしていただけたら幸いです。
メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。
今日はここまでです。
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