ここでは、フェブラリーSなどを簡単に振り返ってみたいと思います。
フェブラリーS
1着・モズアスコット
父 Frankel、形相遺伝として影響が強いのは父の母と診ています。
ローテ的体力は料的遺伝6.00であり、激走後は中2週程度は必要。
前走突如のダート参戦にして難なく勝利した本馬ですが、ここでも勢いそのままに圧勝と言える走りで一気にダートG1制覇を飾り、二刀流G1馬となりました。
確かにチャンピオンズC1~2着馬が不在というメンバー構成でしたが、仮に居たとしても十分に争覇を競う走りだったと診ます。
ダートに環境を変えたことにより、父 Frankelがプライドを取り戻し、日本では希少系統に由来する闘争本能を発揮した走りにも見えました。
それにしても、昨年インティが逃げ切った通過タイムを見ると、前半4F48秒、後半4F47.6秒と後半のほうが速いというスローで進み、逃げ馬が上がり3位のタイムで走るという不思議な展開でしたが、今年は前半4F46秒4、後半4F48秒8というハイペースとなり、概ね例年並みのペースに戻ったと言えるでしょう。
本馬の形相遺伝や血統背景については、根岸Sの際に解説しておりましたのでここでは割愛します。そちらの記事をご参照願います。
その際に懸念しておりました距離ロスや砂被りについては、鞍上は砂被りはもう大丈夫と判断、そして、ハイペースでできたポケットを利用してインに入って距離ロスを抑えることを選択、最後は余裕で抜け出して勝利とさすがG1馬の走りと感じました。不安払拭・心配ご無用といった走りには素直に脱帽です。
本馬は今回の勝利で芝ダート両G1を制し、希少な存在となりました。
今でこそ、オジュウチョウサンや野球の大谷選手の活躍で馴染みがある概念になりましたが、先輩格には、中央地方そして海外と活躍してG1合計6勝を挙げたアグネスデジタルを思い出します。
今後は豪州遠征も予定しているようで、先輩格に近づくためにも、海外での活躍も期待したいと思います。
本馬は血が溢れ返って蔓延するサンデーの血を持たない貴重な存在であり、某巨大グループは様々な血統の種牡馬導入を試みているようですが、今回の活躍により種牡馬入りできることを期待します。
そして、根岸Sの振り返りの際に触れていた Frankel産駒の特徴については、環境を変えることで立ち直りを見せるという好例にもなったことでしょう。
だからと言って、芝で行き詰ったら皆ダートを走らせればよいという単純なことではありませんが、形相遺伝背景や走行ベクトルにダート的素養があるのであれば、立ち直りを見せる産駒は今後も現れるでしょう。
そして、昨年の覇者で2番人気に押されながら14着と大敗したインティについて、陣営は敗因を掴めないでいるようですが、私は敗因は2つあると診ます。
1つ目は、血統ペースへの不適合ということになります。
前走東海Sで控えたことや、内枠に芝スタートが速いワイドファラオが入ったこともあり、昨年同様逃げられるのかどうか半信半疑でしたが、結局、ワイドファラオとアルクトスが雁行状態で先行する形となりました。
詳細は割愛しますが、この2頭は血統ペースが適合するもの同士でしたが、残念ながらインティは適合していませんでした。
2つ目は、前走東海Sの最後の直線にあります。
逃げずに控えて道中徐々に進出し、直線では前を追いましたが、後ろから迫ったヴェンジェンスに並ばれ競り負けて3着に敗れています。
この際の競り負けにより、インティはヴェンジェンスに対してコンプレックスが生じてしまったと診られ、今回は更に運悪いことに枠順も近接しており、本来の走りが出来なかったと診ます。
競争馬のコンプレックスには先天性と後天性があり、レース中に生じる事象は後天性となります。
昔から競馬関係者の間では「悪い癖がついた」という表現で認識されていますが、能力を出し切る走りの中で負けたことを認識することで生じるものであり、それは、最後の直線における競り合い等となります。
コンプレックスの対象となった相手と次走以降、同じレースに参戦した場合、陣営が何等の工夫も施さないと本来の能力を発揮できない走りとなってしまいます。
今回逃げることが出来れば、コンプレックス対象のヴェンジェンスからも逃げるという意味で工夫に繋がったと診ますが、道中の両馬の位置取りも近く、本来の走りができませんでした。
このように今回の本馬の敗因はハッキリしており、致し方ない結果となりましたが、これで終わるような存在とは思いませんので、仕切り直しが必要と思います。
それにしても、先週末の重賞戦線は人気馬が大敗したり、その一方で最低人気馬や条件馬が激走を見せるなど、捉えどころが難しい結果が多かったと診ます。
その中では、小倉大賞典のヴェロックスは単勝1.4倍を背負って9着と大敗してしまいましたが、ランスオブプラーナが逃げて作り出した血統ペースが合わない中での走りとなり、連闘で挑戦した条件馬にまで1秒3差の先着を許すという散々な結果となりました。
今年の冬の小倉開催は異例の6週連続でしたが、降雨に見舞われることも多く、最終週の芝はカオスとも言える大変な状態となっており、大跳びの本馬にはキツイ馬場だったことは確かですが、舞台適性の面でも向いていないと診ていました。
本馬については若葉Sの際にも考察しておりましたが、米国の芝馬を形相遺伝対象にしていることから本質的には左回りが向くと診ており、金鯱賞あたりから古馬始動戦と診ていましたが、小倉大賞典参戦は意外でした。
巷の予想では、母父 Monsunであれば今の小倉は全く問題ないという安易な論調がありましたが、血統はそんな短絡的なものではありません。
今回は血統ペースも舞台も合わずと本馬にとって流しただけですので、こちらも仕切り直しが必要と診ます。
その一方、4番人気で勝利したカデナは、馬場を苦にする可能性が有って評価が難しい存在でしたが、血統ペースへの適合が良く勝利しています。
さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。
先週は週末4重賞を予想評価しました。
ダイヤモンドSでは、ロサグラウカの逃げを想定して1番人気タガノディアマンテを本命評価としましたが、位置取りが後方過ぎた印象があります。
なお、最低16番人気で勝利したミライヘノツバサは血統ペース適合馬ではありましたが、近況や評価対象が増えることを踏まえて無印評価としてしまい、とても勿体ない評価結果となりました。
京都牝馬Sでは、メイショウショウブの逃げを想定して1番人気サウンドキアラを本命評価、6番人気2着プールヴィルを対抗評価、2番人気シゲルピンクダイヤと3番人気ドナウデルタは無印評価としましたが、3着馬を評価対象が増えることを理由に無印としてしまい、勿体なく思います。
フェブラリーSでは、ワイドファラオの逃げを想定して10番人気タイムフライヤーを本命評価としましたが、ハイペースに付き合いよろしく3番手で進んでしまい、最後は脚を失いました。
前出の2番人気14着のインティについては、考察を踏まえて無印評価としておりましたが、最低16番人気2着ケイティブレイブは血統ペース適合馬ではありましたが、近況や評価対象が増えることから無印評価としてしまい、とても勿体ない評価結果となりました。
小倉大賞典では、ランスオブプラーナの逃げを想定して3番人気テリトーリアルを本命評価、1番人気ヴェロックスはヒモ穴評価としておりましたが、2着の条件馬は格下と連闘を理由に評価することができませんでした。
また、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。
こちらは、先週は京都牝馬SとヒヤシンスSの的中に留まりました。
重賞は分析ファイルと同じ考察内容と買い目、リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、通算では良績を挙げることができております。
的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。
気が付くと今年もJRAの年度替わりの時期になりました。
しかし、新型肺炎の影響でイベント開催などの中止が相次ぎ、競馬開催は大丈夫なのかと心配しております。
香港競馬などは無観客開催との報道もありますが、日本の競馬開催は今後どのような対応をされるのでしょうか。
何が起きるかわからない様相ですが、私は先週の勿体ない予想の数々を深く反省し、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。
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今日はここまでです。
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