競馬の核心!血統ペース理論!

私が編み出した「血統ペース理論」を基にレース考察などを展開するブログです。

私が故・中島国治氏の血統理論をベースに編み出した予想理論が「血統ペース理論」です。 端的に言えば、「逃げ馬が自身の血統構成から作り出す血統的なペース・流れ」がレースを支配し、このペース・流れに適合する馬たちによってレースが決するというものです。 実際のレース予想の際はこの「血統ペース」の他にも、各馬の持つローテ的体力の大小からの絞り込みや、各馬の対戦によっておこるコンプレックスも予想に取り入れて絞り込みます。 昨今ではラップ分析系の予想が隆盛のようですが、一般に言われるスローペースやハイペース、テン3ハロンや上り3ハロンといった時計だけではない「血統というペース・流れ」がレースを支配していることを感じてみませんか。

2020年03月

高松宮記念を振り返ります

ここでは、高松宮記念を振り返ってみたいと思います。

 

高松宮記念

1着・モズスーパーフレア

 Speightstownですが0遺伝化、形相遺伝として影響が強いのは母母の父と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝5.75であり、激走後は中2~3週程度は必要。

 

競馬を楽しんでいると例年であれば「今年の春G1戦線もついに開幕!」というフレーズで陽春を感じ、時候が明るくなる印象がありますが、今年は新型ウイルス感染の影響で無観客競馬が続いており、他の競技催事等と比べて開催があるだけ幸いなのかもしれませんが、とてもそのような心持ちになりません。

JRA創設以降では初の無観客G1となったこのレースですが、それを忘れてしまうほど盛り沢山の内容となりました。

勝った本馬は外枠でしたが楽にハナに立つと、前半3F34.2という楽なペースで運べたことが功を奏し、ハナ差で2位入線となりましたが、繰り上がりで念願のスプリントG1馬となりました。

それにしても、繰り上がり3着馬は、阪急杯で降着処分を受けたばかりであり、繰り上がり2着馬も昨年のNHKマイルCで降着処分を受けているという、引き寄せる見えざる何かがあるのでしょうか・・。

 

さて、本馬の形相遺伝の対象と診ている母母父 Valid Appealは、米国で2~4歳時に36戦8勝という成績で、重賞はG2ドワイヤーHの勝利があるだけで、G1は2歳時にフューチュリティS3着、4歳時にメトロポリタンH4着が目につく程度の成績で、殆どが一般戦での成績に終わっています。

そこでこの Valid Appealを更に調べると、その父父である Intentionallyを形相遺伝対象にしていると診られます。

この Intentionallyは米国で2~6歳時に34戦18勝の成績があり、2歳時はフューチュリティSを制するなど最も獲得賞金が多かったほどの早熟でしたが、3歳になると米3冠路線は距離が長いということで回避して短距離路線へ進み、ジェロームHやウォーレンライトメモリアルSなどを制し、この年の米最優秀短距離馬に選出されるなど、マイルを含めて短距離での走りが良い内容でした。

 

 これらの形相遺伝背景から診ると、本馬は米国型のマイル対応可能な短距離タイプに見えますが、本馬は逃げ徹底型でマイルは持ちそうに診えません。

 走行ベクトルの構成要素である父は0遺伝化していますが、母父の Belong to Meが6Fが限界というスピード豊かなスプリンターだったことで、これが前面に出ている配合であることから距離適性が矯められていると言えます。

 

 本馬の形相遺伝系統である In Reality~ Man o'Warと辿る系統は、三大始祖の一つである Godolphin Arabianの系譜となりますが、現代競馬では父系としては滅多にお目にかかれないほどのレア系統となっています。

 しかし、本馬の今回の勝利など、血の奥底ではしっかり生きていることを改めて知らしめており、Byerley Turkの系譜とともに大切にするべき血と考えています。

 

 そして、本馬は昨年2番人気に押されて15着大敗しており、今年も外枠に入ったことと中山以外は走らないのでは、という錯覚が今回の人気低下の要因と診ますが、本馬の走りは特に急坂コースに対する適性が高く、父0遺伝化により母父 Danzig系特有のパワーが前面に出た米国型のパワー型スプリンターと言えます。米国と同じ左回りコースという意味では、中山コースよりも向いていると診ます。

 前走シルクロードSや前々走京阪杯、更には4前走北九州記念はパワー型の本馬にとって不向きな京都・小倉コースであり、パワーが空回りする走りに終わっていますが、

本馬の適性が分かっていないことを露呈している起用にも感じます。

  

 では、今年勝利した本馬が昨年何故大敗したのか、昨年のこのレースを振り返り考察した際に触れておりましたので、ここで再掲してみたいと思います。

 

 

 <以下昨年からの再掲文> 

 

 2番人気に押されたモズスーパーフレアについて、古馬になってからの圧巻の逃げ切り勝ちの内容から人気を集めましたが、15着と大敗しました。

 この敗因について、陣営からは「調教のやり過ぎ」という珍しく正直なコメントが出ていましたが、通常失敗を認めるコメントは発しないのが常ですから、余程ショックだったのでしょう。

 本馬の大敗の原因について、レース展開的にはハナに立つまでにロスがあったことも考えられますが、私は2つの理由があると診ています。

 

 まず1つ目は、陣営の指摘のとおり調教のやり過ぎです。

 私は前回のこのブログの中で「料的遺伝の考え方」について示したところですが、本馬の最終追切の前に投稿した記事でしたので、その直後にこのようなことがあって驚きました。

 本馬の料的遺伝数値からは、中2~3週のローテ間隔が必要なタイプですが、今回はオーシャンS激走から中2週のローテであり、ギリギリと言えます。

 その為、本来はオーシャンS以降は軽めの調整に徹しなければならないところ、陣営は最終追切で坂路の自己ベストタイムを叩き出すという調教を施しました。いくら馬なりだったとは言え、このようなタイムを出せば過酷と言えます。

 私が常々このブログで、G1だからと言って陣営の肩に力が入り過酷な調教を課すことは避けるべきと指摘していますが、私の声は届かなかったようです。

 

 そして2つ目は、本馬の体調面です。

 私は前々回のこのブログの中で、牝馬は繁殖シーズンに関わらず、発情する期間(いわゆるフケ)とそうではない期間を生理的な規則・リズムに基づいて繰り返すことについて触れていましたが、本馬の生年月日から診てオーシャンS勝利時は大丈夫でしたが、3月中旬から発情する期間に入ったと診られ、これが体調面の敗因と診ています。

 牝馬は発情する期間に入ると、その期間中に3回の排卵を小休止の期間を挟みながら迎えるとされており、牝馬の血液は酸性となって走力が衰えることに繋がります。

 今回本馬を取材した某氏は、本馬がイライラしていたことをメディアで明かしていましたが、真にこの期間特有の仕草ではないかと感じました。

 

 昔の競馬では、特にクラシック戦線においてレース当日に発情する期間に入ることを避けるため、一部の陣営は排卵誘発剤を使用していたという話があるそうですが、多くの賢明な陣営は繁殖入りしてからの悪影響を案じて使用しなかったとも云われています。それだけ競争能力に影響を与えるこの生理現象は牝馬の宿命であり、昔から牝馬のレースは荒れると格言的に云われ続ける原因でもあります。

 

 本馬の今回の大敗にはこの2つの敗因があると診ており、ということは、仮に調教を軽めにして調整したとしても好走は難しかったことになりますが、それでもやはり陣営が取るべき調整方法は、軽めに徹するべきだったと診ています。

 

 <再掲文ここまで>

 

 

 上記のように昨年の本馬の敗因を考察しておりましたが、今年の本馬を診ると、ローテ的にはシルクロードS以来ということで料的遺伝の観点からは十分な間隔であり、最終追切では坂路で自己ベストを更新したようですが、この点からは問題ありませんでした。

 そして体調面ですが、発情する期間(いわゆるフケ)とそうではない期間を生理的な規則・リズムに基づいて繰り返すことについては、中島理論では毎年同じではなく、隔年で同じサイクルに入るとされています。(詳細は割愛します。)

 これを本馬に当てはめると、昨年は3月中旬から発情する期間に入ったということは、今年は3月中旬からそうではない期間に入ったということになります。

 勿論、本馬の能力の高さが勝利の主たる要因ですが、これまで診てきたような脚を引っ張る要因が除去されたことも重要な勝因と診ます。

 

 

 そして、1位入線も4着降着となったクリノガウディーについて、15番人気という低評価を覆して激走を見せましたが、残念ながら大きく内に斜行してしまいました。

 この斜行した現象について血統的にどう解釈されますか、という質問を頂いておりましたので、この場でお答えしたいと思います。

 

 陣営からは、左回りでは内にヨレる癖があるという趣旨のコメントを見ましたが、これまでの左回りの走りを診ても、今回のような派手な斜行はありません。

 私は今回の斜行の原因は、本馬の最大の弱点である料的遺伝の乏しさにあると診ています。

 本馬はローテ的体力である料的遺伝数値が2.50しかなく、本馬の馬柱を単純に眺めても、好走と凡走が交互となっており、本馬の料的遺伝数値からは中8週程度の十分な間隔を取らないと連続激走が出来ないタイプです。

 前走の阪急杯は、前々走東京新聞杯3着から中2週というローテで凡走し、今回は激走した東京新聞杯からは中6週というローテでしたが、激走可能な体力回復には中2週程度足りないと診ていました。

 そしてG1ということで最終追切も渾身?の調教を施され、体力が充分に戻らない中でのレースとなりましたが、最後の最後に体力が尽きて斜行に至ったと診ています。

 

 それでも、父スクリーンヒーロー産駒ということで、血が溢れ返っているサンデー系牡馬やキンカメ系牡馬よりも闘争本能を有しており、この闘争本能が本馬を限界点を超えてまで走らせたと診ます。

 今回は残念な結果となりましたが、ローテーションに十分に配慮すれば、2勝目、3勝目と勝利に結びつく内容と診ます。

 

 

 それから、今年はゴール前の斜行や有力馬の凡走など盛り沢山でしたが、やはり降着制度について確認の意味で触れましょう。

 現行の日本の降着制度をJRAのHPにて確認すると、以下のようにあります。

 

 競走中に斜行・押圧等により他馬の走行を妨害したケースで、裁決委員が以下の通り判断した場合、降着又は失格となります。

 「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と判断した場合、加害馬は被害馬の後ろに降着となります。

 「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた」と判断した場合、加害馬は失格となります。

 

 そして、Q&Aには・・

 「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と判断する根拠は何ですか?の回答として、

 「加害馬・被害馬の着順、着差の他、事象の前後における両馬の走行状況等を総合的に判断しています。」とあります。

 

 2013年に制度変更があり、国際基準カテゴリー1に倣うということで現行の基準となりましたが、簡単に言えば、有事には主催者が恣意的に着順を決定するという基準です。

 昨年のケンタッキーダービーでは1位入線馬の17着降着という大きな事象がありましたが、これは米国が国際基準カテゴリー2を採用しているためであり、私は真っ先にメジロマックイーンの天皇賞秋18着降着を思い出してしまいました。

 これは、被害馬の走りがどうであれ、加害馬が被害馬の次の着順になるという分かり易いものであり、勧善懲悪の基準と言えます。

 (個人的には日本人の倫理観・道徳観等に照らすとこちらが合うように感じます。) 

 

 今回の事象は、カテゴリー2の基準であっても同じ着順判定と診ますが、巷の意見では、ダイアトニックが先着できているという判定ならば、1着相当の走りをしていた内容であり、1着に変更なのではないかという指摘があるようです。

 しかし、それは制度運用を逸脱する解釈であり、あくまでもこれは降着制度であり、昇着制度ではないという一言に尽きます。

 

 

 

 さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、高松宮記念、日経賞、毎日杯そしてマーチSを予想評価しました。

高松宮記念は、思い切って12番人気シヴァージを本命評価、勝ったモズスーパーフレアについては単穴の3番手評価としましたが、本命馬は出負けしてしまい、前が残る展開の中で上がり最速タイの脚を繰り出しましたが、5着と届きませんでした。2着グランアレグリアはヒモ穴評価としておりました。

日経賞は、1番人気ミッキースワローを本命評価とし、2着モズベッロはヒモ穴評価としておりました。

毎日杯は、4番人気ダノンアレーの逃げを想定した上で同馬を本命評価とし、9番人気メイショウラツワンを対抗評価、1~2着馬はヒモ穴評価としておりました。

マーチSは、2番人気ワイルドカードを枠順変更で対抗から本命評価とし、1番人気スワーヴアラミスを本命から対抗評価に変更しておりました。

 

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、前出の4重賞の他に名鉄杯と六甲Sを予想しましたが、日経賞、毎日杯、マーチSは馬連などを、六甲Sでは単複のみで勝負してそれぞれ的中しております。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、良績を継続することができており、的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

新型肺炎の蔓延は世界中に広がり、そしてその対策と日常ではない対応が求められ、現在も世界が大混乱しています。

そしてついに東京圏や大阪圏では外出自粛が求められ、混沌としております。

このような出口が見えない状況ですが、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

(仕事のご依頼はmonaka.sabao.88@gmail.comまでお願い致します)

 

 

若葉Sを振り返ります

ここでは、若葉Sを振り返ってみたいと思います。

 

若葉

1着・アドマイヤビルゴ

父ディープインパクト、形相遺伝として影響が強いのは母母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝3.75であり、激走後は中5週程度は必要。

 

今年の3歳春クラシックもトライアル戦線が最終週となり、優先出走権組が確定しました。このレースは創設から中山で施行されていましたが、関西圏に皐月賞トライアルが無いという状況を解消するために阪神へ移設されています。

阪神移設以降はワールドエースやヴィクトリーの事例はありますが、機能しているとは言い難い状況にありましたが、昨年の勝ち馬ヴェロックスは皐月賞2着と機能し、ダービー3着、菊花賞3着と活躍、昨年の2着馬ワールドプレミアは菊花賞馬となり、これまでのレース評価を一掃しました。

そして今年のこのレースですが、セレクトセール史上2位の5億8千万円(税抜)という高額で落札された本馬が出走するようなレースとなり、昨年から風向きが変わってきたようです。

勝った本馬は、道中3番手から圧巻の走りで快勝しています。確かに相手関係は微妙でしたが着差もつけて勝利しています。

 

本馬の形相遺伝の対象と診ている母母 Multicolour Waveは、愛国産ですが仏国で3歳になってデビューし、2000m戦で着外の16位入線、2200戦で4着という2戦0勝の成績で終わっています。

これでは判然としませんので、そこでこの Multicolour Waveを更に調べると、その父である Rainbow Questのマッシモの遺伝活性値を受けていることから、父を形相遺伝対象にしていると診られます。

この Rainbow Questは米国産ですが英愛仏国で14戦6勝の成績があり、G1は仏愛ダービーは2~3着と勝てず、古馬になってコロネーションCと凱旋門賞を勝利しています。

この凱旋門賞は1位入線の Sagaceが2着降着で繰り上がったものですが、この降着を巡っては疑義が生じていました。接触の申し立てがあったとされていますが、改めてこのレースを見返しましたが、何度見ても判然としない程度のものであり、現在の基準とは違うのでしょうがスッキリとはしません。

それでも、この世代は特に稀に見る強豪が揃った最強世代と評価されており、他には Sadler's Wellsや Darshaan、SecretoやEl Gran Senorなども同世代であり、現役時の活躍だけではなく、種牡馬としても大きく血統に影響を与えるほど活躍した世代であり、1980年代欧州競馬を語る上で最重要と言える世代です。

これらのことから、本馬の形相遺伝対象の母母は、中長~長距離タイプの適性を持っていたと診られ、陣営も2戦とも2000~2200mを使ったことも頷けます。

引退後は繁殖入りしましたが、活躍馬は本馬の母であるイルーシヴウェーヴを輩出するに留まっています。

 

この本馬の母イルーシヴウェーヴは、英仏国で2~4歳時に14戦6勝の成績で、仏1000ギニーを制しています。愛国で繁殖入り後に本邦輸入され、本馬を輩出しています。

現役時はマイル以上の距離を走っていませんが、これはやはり Elusive City~  Elusive Qualityというスピード質を父系統に配合されたことが要因です。

Elusive Cityはスプリンターであり、父父 Elusive Qualityは逃げ徹底型の脚質で、ポーカーHでは当時の芝マイルの世界レコードを逃げて叩き出したほどです。

 Rainbow Questの母を形相遺伝対象にしていると診られることからすると、中長距離対応可能な血統背景でしたが、この父系により距離適性が矯められたことでマイラー化したと診られます。

 

話を本馬に戻しますと、本馬の場合は母から一世代進んで父にディープを迎え、形相遺伝対象が中長~長距離型の母母ということで、本来は中長~長距離型に出るところですが、スピード質の母父ということを考慮して中~中長距離型と診ます。

 また、Rainbow Questが欧州の典型的な追い込み型だったにも拘らず、本馬が2戦とも2~3番手でレースを進めていることは、やはり母父由来と診ます。

 

本馬はこれで優先出走権を得て皐月賞へ参戦となりますが、今回の鮮やかな勝ち方からは、人気の一角に加わりそうです。

このレースで離し逃げで2着に残って切符を掴んだキメラヴェリテは、半兄リアンヴェリテを思わせるような逃げを披露しましたが、どうやら想定出走メンバーからは、本番でもこの馬が逃げることになりそうで、典型的な逃げ馬が現れて私としては安堵しているところです。

 

一昨年の皐月賞は、逃げ馬3頭が雁行状態で後続を離して逃げて波乱を演出しましたが、結局は実質馬群の先頭だったエポカドーロが勝利し、このエポカドーロが作り出した血統ペースに対応したサンリヴァルが2着しています。

本番ではキメラヴェリテが大逃げするのか、後続が詰めて馬群となるのかは分かりませんが、私はキメラヴェリテが逃げて血統ペースを作り出す前提で予想を構成したいと思います。

 

 

さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、フラワーC、スプリングS、そして阪神大賞典を予想評価しました。

フラワーCは、ショウナンハレルヤの逃げを想定して2番人気クリスティを本命評価としましたが、血統ペースが変わってしまい5着に終わりました。

スプリングSは、アオイクレアトールの逃げを想定して1番人気ヴェルトライゼンデを本命評価とし、勝った6番人気ガロアクリークは4番手評価、3着サクセッションは対抗評価としておりました。

 

そして阪神大賞典ですが、キセキの逃げを想定した上で同馬を本命評価としましたが、大出遅れをしてしまい7着と崩れてしまいました。

私は今回の大出遅れを見て、父ルーラーシップを思い出してしまいました。

前走有馬記念でも出遅れていましたが、父自身が加齢に連れて大出遅れしてしまうケースが増え、5歳の春に香港遠征で勝利を収め、帰国後の引退までの国内4戦は全て大出遅れを繰り返していました。

以前にこのブログでも触れましたが、キセキは父ルーラーシップを「形相」遺伝対象としていますが、5歳秋に仏国遠征し、帰国後の2戦はいずれも大出遅れていることになり、父ルーラーシップが5歳春の海外遠征から帰国後に大出遅れが続いたことと酷似しています。

そもそも形相遺伝の「形」とは体形などの外観的な要素のことで、距離適性や馬場適性、舞台適性などを司り、「相」とは情的・意的・知的素質のことで、性格面や知能面、精神面などの内面性を司ることとなります。

キセキの形相遺伝対象が父ルーラーシップということは、「相」の要素として気性の要素が遺伝され、これが本馬の5歳秋の海外遠征後の大出遅れに表れているのではないか、という推測が成り立ちます。

 

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、前出の3重賞の他に若葉Sと千葉Sを予想しましたが、スプリングSの馬連三連複の的中に留まりました。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、良績を継続することができており、的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

新型肺炎の蔓延は世界中に広がり、そしてその対策と日常ではない対応が求められ、現在も世界が大混乱しています。

競馬の世界でも、開催が懸念されていたドバイ国際ミーティングについては、過日中止が発表され、欧米各国で春の主要開催が見合わせとなっています。

このような出口が見えない状況ですが、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

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フィリーズレビューを振り返ります

ここでは、フィリーズレビューを振り返ってみたいと思います。

 

フィリーズレビュー

1着・エーポス

父ジャスタウェイ、形相遺伝として影響が強いのは母母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝4.25であり、激走後は中4週程度は必要。

 

このレースは桜花賞の指定トライアルとなって長いですが、過去10年ではこのレースで優先出走権を得て桜花賞で3着以内を果たしたのは、わずかに1頭のみです。

これまでのメンバー構成も、桜花賞というよりは、将来的に短距離路線を賑わせる色が強くなっている印象があり、昔とはレース体系が変化しており、このレースも変化が必要かと思います。

今年のこのレースはハイペースとなりましたが、それでも先行馬が残るという内側有利な馬場傾向のまま行われ、1~7着馬が1~7番ゲートの馬で全て占められるという極端な結果となっています。

3歳クラシックの指定トライアルというレースの性格上、このような極端な有利不利というのは、私はアンフェアだと思います。優秀有望な馬が外枠に入っただけで道を閉ざされるというのは、誰が考えても良くありません。

勝った本馬は、出遅れてしまって先行出来ませんでしたが、中団で待機して先行勢が残る展開ながら力強く追い込み、レースタイレコードで勝利しています。

 

本馬の形相遺伝の対象と診ている母母タドウィガは、英愛国で2~3歳時に12戦4勝という成績で、重賞はG3メイトロンSとリステッドのミルカーズマサカSの勝利があり、4勝全てがマイル戦という成績でした。

距離を延ばすと、10F戦リステッドのゴールデンダッフォディルSの3着はありますが、勝ち馬からは7馬身程も離された内容です。

このタドウィガは、その母母父である Green Dancerを形相遺伝対象としていることから診て、やはりマイルを適性距離として、距離を延ばすとパフォーマンスを落とすタイプだったと診られます。

引退後は米国で繁殖入りし、活躍馬はG3サラナクS勝ち馬の Rock Lobsterを輩出するに留まりましたが、面白いのは、2007年からは社台の所有となり、米国で生産した産駒が本邦輸入されるという生産形態となりました。

産駒が走らないことから米国の種牡馬の血を諦めて本邦輸入され、サンデー系種牡馬の受け皿となりましたが、産駒を輩出するに至らずに現在は輸出されたようです。

このような形相遺伝背景から診て、本馬の距離適性は本質的にマイルを最も得意とするタイプと診ています。

 

さてここからが問題です。この形相遺伝対象から診て、本馬のキャラクターは欧州型のマイラーに見えますが、今回のハイペース対応や前走の先行争いから踏ん張って粘るという走り方は、形相遺伝背景のそれとは全く異なります。

本馬は走行ベクトルの構成要素である父はジャスタウェイ、母父は Smart Strikeということで、メインとなる形相遺伝対象という素材を、どのように調理するかが父と母父の役割となりますが、本馬のハイペース対応の走りは、明らかに母父由来の走行ベクトルと言えます。

この母父 Smart Strikeは、加国産で2~3歳時に米加国で8戦6勝という成績で、フィリップHアイズリンHという8.5F戦のG1勝利があります。

その走りは徹底した逃げが基本スタイルで、番手に控えての勝利もありますが、逃げ争いに負けて結果として控えたものであり、基本は米国的ダートの消耗戦型の走りでした。

本馬はこのような走行ベクトルを持つ母父を持つことが、今回や前走の走りの源泉と診ています。

レース後の鞍上からは「ペースが速いと思ったので、抑えると息を入れてくれていい感じで運べた」というコメントが出ており、急流を追走することが合っていることを表していると診ます。

本馬は今回出遅れて中団から進みましたが、このような血統背景から急流に対応して勝利したのは頷けます。

 

私の配合の考え方は、形相遺伝対象が最もおいしくなる、素材の魅力を引き出す調理法を施すことが本来的であると考えますが、本馬は残念ながらそのような配合ではありません。

本馬の距離適性はマイルまでが基本と診ますが、タイトな流れでは走りが良くても、スローの展開に嵌った場合は力を発揮できなくなるタイプと診ます。

 

これで本馬は、桜花賞の優先出走権を得て本番に臨むこととなりますが、同型の有力他馬が多い印象があり、急流化は望むところでしょうが、料的遺伝の観点からはローテ的に少々キツくなることから、中間の調整には一工夫の配慮を要するでしょう。

 

 

私はこのレース、メルマガ「重賞分析極秘ファイル」の中で、カリオストロの逃げを想定した上で2番人気ヤマカツマーメイドを本命評価、本馬はヒモ穴評価とし、1番人気カリオストロは不安材料から評価を下げる意味でヒモ穴評価としておりましたが、12番人気3着のナイントゥファイブについては、血統ペース適合馬ではありましたが、評価馬が多数に及ぶことから見送ってしまい、勿体ない結果となりました。

 

さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、中山牝馬S、ファルコンS、フィリーズレビュー、そして金鯱賞を予想評価しました。

中山牝馬Sは、2番人気コントラチェックの逃げを想定して同馬を本命評価としましたが、逃げることが出来ず最下位大敗となりました。そして、勝った3番人気フェアリーポルカと1番人気3着エスポワールはヒモ穴評価とし、14番人気2着のリュヌルージュについては特選穴馬として評価しておりました。

ファルコンSは、メルマガの他にウマい馬券でも本命馬のみ公開しましたが、8番人気3着のヴェスターヴァルトを本命評価とし、勝った6番人気シャインガーネットは対抗評価としておりました。

金鯱賞は、ダイワキャグニーの逃げを想定した上で1番人気サートゥルナーリアを不安材料無しとして本命評価とし、6番人気3着ダイワキャグニーを対抗評価、8番人気2着サトノソルタスはヒモ穴評価とし、2~5番人気の4頭の評価を揃って下げておりました。

フィリーズレビューは前出のとおりであり、4重賞とも読者様の一定のお役に立てる内容だったと考えております。

 

また、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、前出の4重賞の他にポラリスS、東風S及びアネモネSを予想しました。

中山牝馬Sは特選穴馬からのワイド2点、ファルコンSは本命馬の単複のみで勝負し複勝を、金鯱賞は馬連と三連複及び2~3着のワイドを的中しております。

そして、リステッドOPのポラリスSは馬連、東風Sは馬連と三連複を的中することが出来ております。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、良績を継続することができており、的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

新型肺炎の蔓延は世界中に広がり、そしてその対策と日常ではない対応が求められ、世の中が困惑した挙句、世界経済にまで波及して世界が大混乱しています。

このような出口が見えない状況ですが、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

(仕事のご依頼はmonaka.sabao.88@gmail.comまでお願い致します)

 

 

ディープインパクト記念を振り返ります

ここでは、ディープインパクト記念を振り返ってみたいと思います。

 

ディープインパクト記念

1着・サトノフラッグ

父ディープインパクト、形相遺伝として影響が強いのは母父の先祖の隔世遺伝と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝5.25であり、激走後は中3週程度は必要。

 

このレースは弥生賞として春の3歳クラシック戦線の重要ステップとして長らく定着してきましたが、今年からディープインパクト記念として生まれ変わることとなりました。

馬名がレース名となるのは地方では散見されますが、中央では消えゆくものだと思っていたところ、逆に新鮮に感じます。

それにしても、中央で馬名がレース名となっているのは、カブトヤマ記念廃止以降は全て3歳限定戦というのは何故なのでしょうか。

さて、勝った本馬は、レース登録時点から唯一頭のディープ産駒であり、しかも鞍上がディープの主戦騎手ということもあり、サイン読み派の方でなくとも出来過ぎだろうと思っていたところ、1枠1番ということで、実質1回目のこのレースを飾るに相応しい?存在となりました。

昨年に続いて生憎の降雨により馬場悪化となりましたが、上手く外を廻した本馬が、そのフットワークから心配された馬場を克服して勝利しています。

 

本馬の形相遺伝対象について、具体的には母父の母父の母父 Sir Gaylordと診ています。この Sir Gaylordは米国で2歳早々から走り、何と2歳時は14戦も走るというタフさで18戦10勝の成績を残しました。

ベストパフォーマンスと言える3歳早々に勝利したエバーグレーズSでは、後のケンタッキーダービー馬 Decidedlyに5馬身差の快勝、本番の最有力候補となりましたが、何と本番直前に故障を発症しそのまま引退となりました。

種牡馬となってからは、英ダービー馬 Sir Ivorや英G1マイラー Habitatなどを輩出、所謂 Turn-to系の隆盛の一翼を担いました。

代表産駒である Sir Ivorは、父である Sir Gaylordを形相遺伝対象としており、英ダービーの勝利の他にワシントンDC国際競争の勝利や凱旋門賞2着といった成績が有ることから診て、父 Sir Gaylordは3歳早々で引退しましたが、本質的には中~中長距離型だったと診られます。

 

このような形相遺伝背景から診て、本馬の距離適性は本質的に中~中長距離型と診ています。

本馬が前走を快勝した際の鞍上からは、間違いなく距離が延びて良く、ベストは2400mという趣旨のコメントが出ていましたが、中島理論による血統分析の観点からも、真にそのとおりだと思います。

本馬の母バラダセールは亜国オークス馬で、サンデー系種牡馬を種付けする上で定番化した感が有る南米血統ですが、本馬の母母や3代母、母父などに1000mのスプリント戦で良績が有る血統背景を抱えていますが、本馬の半姉2頭を診ると、走行ベクトルとして距離適性を悪い意味で矯める印象が無いことから、本馬の距離適性は前出のとおりの解釈で良いものと診ます。

父や母、母父だけで血統を診てしまう安易な解釈は巷で横行していますが、本馬は血統の深淵から先祖を現世に引き戻していることが分かる好例と思います。

 

ちなみに、本馬は新馬戦で離された6着と敗れていますが、今回はその際と同様の重馬場となりました。

新馬戦の大敗は、ブロフェルドが逃げて作り出した血統ペースへの不適合と重馬場対応であり、二重苦ではさすがに厳しかったと診ます。

今回は血統ペースは適合しており、確かに大跳びのフットワークからは今回の重馬場も懸念材料ではありましたが、何とか克服して勝利しましたが、重馬場でなければ着差はもっと開いていたと診ます。

 

これで本馬は、クラシック戦線の有力馬の一頭に名を連ねることとなりましたが、新馬戦では血統ペース不適合により呆気なく凡走しており、本番では何が逃げて血統ペースがどうなるかに左右されると診ます。

この点については私のメルマガにて分析を行い、本馬を冷静に診断致します。

 

 

私はこのレース、メルマガ「重賞分析極秘ファイル」の中で、パンサラッサの逃げを想定した上でワーケアを本命評価、当日の馬場悪化を懸念して本馬は対抗評価としておりましたが、レースではパンサラッサがハナに立とうとするところを、ウインカーネリアンが交わして逃げる展開となりました。

実はパンサラッサとウインカーネリアンのどちらの逃げであっても、血統ペース適合の観点からは親和性のある同類系統の血統ペースであり、本馬にとっては問題ないというメンバー構成だったのは幸運でした。

 

さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、オーシャンS、チューリップ賞、そしてディープインパクト記念を予想評価しました。

オーシャンSは、3番人気2着ナックビーナスを本命評価、勝ち馬ダノンスマッシュは対抗評価とし、2番人気タワーオブロンドンについては、ある不安材料を指摘した上で3番手評価としておりました。

チューリップ賞は、4番人気マルターズディオサを本命評価、2着クラヴァシュドールを3番手評価とし、圧倒的1番人気レシステンシアについては、こちらもある不安材料を指摘した上でヒモ穴評価としておりました。

ディープインパクト記念は前出のとおりで順当に評価できており、3重賞とも読者様のお役に立てる内容だったと考えております。

 

また、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、前出の3重賞の他に総武Sと大阪城Sを予想し、全レースで馬連や3連系を的中することが出来ております。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、良績を継続することができており、的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

新型肺炎の蔓延は世界中に広がり、そしてその対策と日常ではない対応が求められ、世の中が困惑しております。

これに伴い、各種行事イベントは集中感染の温床になることから相次ぎ中止となっており、春から動き出す各種スポーツも延期が続いています。

昨日の専門家会議の委員の会見からは、引き続き同様の対応が求められるとのことで、競馬開催も無観客が続くと思われますが、無観客であっても開催運営にはそれなりの人員が集まっていることから、開催そのものもどうなるか不安があります。

このような出口が見えない状況ですが、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

(仕事のご依頼はmonaka.sabao.88@gmail.comまでお願い致します)

 

 

阪急杯を振り返ります

ここでは、阪急杯を振り返ってみたいと思います。

 

阪急杯

1着・ベストアクター

父ディープインパクト、形相遺伝として影響が強いのは母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝6.50であり、激走後は中2週程度は必要。

 

中国発新型肺炎コロナウイルスの災禍は世界中に広まり、先週ついに総理大臣の異例の要請に至る事態となりました。

以前から香港競馬は無観客開催で行われていましたが、日本でも中央地方とも無観客開催となりました。公営競技によっては休止となっているものもあり、開催そのものも議論が有ったことでしょう。

JRAでは無観客開催は当面の間実施するとのことですが、この世界的蔓延が長期化すると、今後新たな判断が成される可能性もあるでしょう。

特に目下の北海道では、全域的に行動制限要請が発せられており、折しも、馬産地では今年の繁殖シーズンが始まると同時にこの蔓延が始まっており、今年の馬産への影響が心配されます。

 

その様な中で行われたこのレースですが、本馬が重賞初挑戦にしていきなり勝利を飾りました。初挑戦とは思えないような鮮やかな走りでしたが、こんな走りをする馬が今までどこで何をしていたのかと振り返ると、セン馬になるための休養期間があり、このことについては後述します。

そして、このレースは2位入線馬について降着処分がありました。

現行の降着制度になって以降、中央競馬の重賞で1~3着馬を対象として着順変更となったのは実に初めてのことです。前制度を含めていつ以来かと調べたら、2010年のJCでブエナビスタが1位入線2着降着になって以来となります。

現行の制度は、どんなに酷い走りで勝利したとしても、人は罰せられても馬の名誉はブラックタイプとして残るという、やったもん勝ちの釈然としない制度ですが、今回の着順変更は少々驚きました。裁決委員に異動でもあったのでしょうか・・。

 

 

さて、本馬の形相遺伝の対象と診ている母ベストロケーションについては、その走りをご記憶の方も多いでしょう。

2~6歳時に24戦5勝という成績があり、2歳未勝利勝ちはダートでしたが、成馬になってからは短距離路線で活躍し、京都牝馬S2着やキーンランドC3着といった良績があります。

繁殖牝馬としては、本馬が連産の3番仔で初重賞勝ちの産駒となりましたが、初年度はハーツクライを種付けした記録がありますが、この産駒がどうなったのか記録上辿れず不明、2番仔のディープ産駒は死産となり、実質的に本馬は初仔のような位置づけとなっています。

母ベストロケーションは、その母である名牝ダイナアクトレスの最後の産駒となりますが、そのダイナアクトレスの命日3月1日に本馬が重賞初制覇するというのは、本馬が2013年4月1日に種付けされ、2014年3月1日出産予定日として生産されていることを含めて、生体リズムが持つ不思議な力を感じます。

 

本馬の距離適性については、現在の勝利は全て1400mということで所謂スペシャリストではないかと云われていますが、本馬の形相遺伝対象から診ると、12~1600mに対応可能な柔軟なタイプであり、右左廻りは問わないタイプと診ます。

 

本馬は今後高松宮記念ではなく、京王杯から安田記念に向かうと報じられていますが、今年の高松宮記念はメンバー構成が強力と診ての回避なのかもしれません。

 

そして、本馬と言えば、ディープ産駒でありながら「セン馬」であることが大きな特徴と言えるでしょう。4歳から5歳にかけて長期休養がありますが、この期間に手術を受けています。

セン馬にすることは、男性ホルモンの分泌に変動が生じることにより、様々な効果が期待されています。

①  気性が従順になること。

②  骨を中心に丈夫になること。

③  筋肉が柔らかくなること。

④ 闘争本能の減退から解放されて走りに集中できること。

 

手術後は個体差がありますが、概ね半年~1年程度の期間をかけて「牡からセン」に切り替わります。効果が出るのはこの期間を経た後になります。

本馬は長期休養明け初戦の五泉特別をいきなり勝利しており、この切り替わりの期間を休養に充てていたことになります。

セン馬になる馬の中には、手術後2か月程度で出走してくるケースも散見されますが、効果を求める観点からは、やはり期間を取ることが肝要と診ます。

 

一般的にはセン馬にする効果は3つ有るとされており、前掲の①~③となりますが、中島理論の観点からは前掲のとおり4つの効果が有り、やはり④が重要となります。

 

馬は一般的に、走る・蹴る・噛むというその身に備わった3つの武器を用いて闘争するものですが、競馬はその内、走るという武器に焦点を当てて互いに争わせる人工的な競技であり、それはまた、馬が集団内でボスの座を争う際の闘争本能と習性を利用した競技でもあります。

そして牡馬は、ボスとなって自らの血を遺伝子を残そうとする本能に基づいて、他のライバル牡馬と熾烈な戦いをするのです。

その様にしてボスになった血は、集団内に広く行き渡って蔓延することとなりますが、その血が溢れ返ってしまうと今度は近親交配の危険が高まり、それは集団の存続が危ぶまれることとなります。

このようになると、そのボスの血は集団内において不要の血となり、集団維持のために新しい血を求める集団本能が働いて、ボスの座に就いていた牡馬はその座を降り、ボス性・闘争本能を失うこととなります。

野生馬であれば、繁殖牝馬が集団からそのボスを追い出し、闘争に勝った新しいボスを迎えることとなりますが、人間が介在する馬の生産では、そのような馬の本能など無視して同じボスの血を次々に配合するため、金太郎飴のように特定の種牡馬の馬が大量生産されます。

その様にして生まれてきた牡馬は、歯替わり期を経て、仔馬から成馬になると大人のボス争いが始まりますが、そもそも自身の血は既に溢れ返っていることから、この時点から闘争本能の減退が始まっていることとなります。

昔から牡馬について「歯替わりしたら走らなくなった、古馬になったら走らなくなった」と言われることがありますが、それはこのことを表しています。

 

セン馬にすることの効果として掲げた④は、父系の活力が低下した種牡馬の産駒を活性化できることを示しています。

去勢されることにより、血の飽和による闘争本能の減退という父系コンプレックスから解放され、走ることだけに専念できるからです。

海外ではセン馬の占有率が高い地域があり、特に米国ではこの方法で活性化して数々の名馬を誕生させています。

 

今回本馬を取り上げようと思ったのは、この観点から、ディープ産駒の新しい扉を開いて欲しいと思ったからです。

現役馬でディープ産駒のセン馬を調べると、国内では21頭いるようです。そして、セン馬になってから重賞勝利したのは本馬が初めてとなります。

種牡馬ディープインパクトは昨年亡くなりましたが、その血は多くの繁殖牝馬に内包され、ディープ系と云われるほどに孫産駒が増え続けている状況にあります。

この血が日本の馬産に溢れ返っていることは何度も述べておりますが、このことにより古馬になって失ってしまった活力を、セン馬にすることで取り戻すことができるのです。

しかし、現在の日本の馬産の状況を見ると、ディープ系を中心とするサンデー系の血は残して紡ぐことが前提となっているようであり、余程でなければセン馬にはしないようです。

古馬になって走らないと言うのであれば、気性難などが無くても、この血に去勢という英断を下すことで活性化させるケースが増えるべきと思うのは私だけでしょうか。

本馬の今後の活躍が、そのエポックメイキングになって欲しいと思います。

 

私はこのレース、メルマガ「重賞分析極秘ファイル」の中で、ニシノラッシュが逃げる想定で本馬を3番手の特選穴馬評価としておりましたが、蓋を開ければ、6番人気とそこそこ人気を集めていたことは意外でしたが、馬群から鋭く抜け出して快勝する好内容の走りは、この事例としての良い品評会にも見えました。

 

 

 さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は阪急杯と中山記念を予想評価しました。

阪急杯では、前出のとおりニシノラッシュの逃げを想定して2番人気フィアーノロマーノを本命評価、1番人気ダイアトニックを対抗評価、6番人気ベストアクターを3番手評価としておりましたが、着順変更が有ったことにより本命馬は2着に繰り上がりました。

そして、中山記念では3連覇を期待しウインブライトを本命評価としておりました。

3年連続でマルターズアポジーが逃げて血統ペースを作る展開となり、今年も好走必至と診ていましたが、陣営も首を傾げる凡走となりました。

今回は乗り替わりであることに一抹の不安はありましたが、これほど走らないとは意外でした。未勝利勝ち以降一貫して松岡騎手で走っており、ステイゴールド産駒特有の性格面、頑固さが出たと診るしか理由がありません。それにしても、やはりこの父の血は一筋縄では行かない面白い血だなと思います。

 

また、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、先週は阪急杯の馬連と三連複が的中しております。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、通算では良績を挙げることができております。

的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

春競馬開幕と思った矢先の新型肺炎の蔓延、そしてその対策と日常ではない対応が求められ、世の中が困惑しておりますが、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

(仕事のご依頼はmonaka.sabao.88@gmail.comまでお願い致します)

 

 

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