競馬の核心!血統ペース理論!

私が編み出した「血統ペース理論」を基にレース考察などを展開するブログです。

私が故・中島国治氏の血統理論をベースに編み出した予想理論が「血統ペース理論」です。 端的に言えば、「逃げ馬が自身の血統構成から作り出す血統的なペース・流れ」がレースを支配し、このペース・流れに適合する馬たちによってレースが決するというものです。 実際のレース予想の際はこの「血統ペース」の他にも、各馬の持つローテ的体力の大小からの絞り込みや、各馬の対戦によっておこるコンプレックスも予想に取り入れて絞り込みます。 昨今ではラップ分析系の予想が隆盛のようですが、一般に言われるスローペースやハイペース、テン3ハロンや上り3ハロンといった時計だけではない「血統というペース・流れ」がレースを支配していることを感じてみませんか。

2020年06月

宝塚記念を振り返ります

ここでは、宝塚記念を振り返ってみたいと思います。

 

宝塚記念

1着・クロノジェネシス

父バゴ、形相遺伝として影響が強いのは母父の母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝3.75であり、激走後は中5週程度は必要。

 

今年のこのレースは、例年なら海外遠征をしている組が参戦することとなり、G1馬が8頭集うというタイトルの数では豪華メンバーとなりました。

6月下旬に施行時期が移設されたのが2000年ですが、梅雨真っ只中という季節に移行してからは、それまでの堅い決着から一変して荒れる決着が多くなりました。

これはやはり、梅雨時の開催ということで宝塚記念当日が良発表であっても、基本的に馬場が荒れていることが影響していると診ています。

昨年は関西地方が梅雨入りしないという異例の気候の中で行われ、移設以降では2番目の好タイムが出ましたが、今年は当日午後にスコールに見舞われ馬場が悪化し、最後の最後まで今年の春G1戦線は何らかの気象の心配が付き纏いました。

勝った本馬は外枠でしたが、道中は外目中団から徐々に進出と積極的に運び、4コーナー先団からあっさり抜け出すと途中から独走状態となり、終わってみれば2着に6馬身差をつける圧勝劇でした。

 

本馬の形相遺伝対象である母父の母ブルーアヴェニューは、米国で2~4歳時に20戦5勝という成績があり、プレザントン・セニョリータHというリステッド勝利がありますが、一般戦のダートマイル路線を主に走った成績であり、重賞には出走すら無かった凡庸な内容です。

そこで、更にこのブルーアヴェニューを調べてみますと、その母母の父の母父である  Nashuaを形相遺伝対象としていることが分かります。

この Nashuaは米国で2~4歳時に30戦22勝という凄まじい成績を残しており、3歳3冠路線はケンタッキーダービーこそ Swapsの2着でしたが、プリークネスSとベルモントSを快勝、16F戦のジョッキークラブゴールドCを連覇するなど、10F戦以上のカテゴリーで高いパフォーマンスを発揮した戦績です。

 

これを形相遺伝対象としている本馬の母父の母ブルーアヴェニューは、本質的には距離を延ばして良さが出るタイプだったと診られ、陣営の方針か何らかの理由でマイル戦線を使われましたが、適性とは異なるカテゴリーを使われていたことが凡庸な戦績で終わった背景にあると診ます。

そうなると、間接的に Nashuaに辿り着く形相遺伝背景を持つ本馬の距離適性についても同様になると診ており、今回2200m戦を快勝しましたが、更に距離を延ばしても全く問題なく、本質的にはタイトな流れを好むタイプで気性面が課題となるでしょうが、距離適性的には長距離路線でも好走可能なタイプと診ています。

 

本馬は所謂ラスティックベル牝系の出身であり、この牝系からは本馬や本馬の半姉ノームコア、フサイチエアデールやフサイチリシャール、ライラプスやアドマイヤエイカンなど多くの活躍馬が輩出されています。

特に本馬の母クロノロジスト~インディスユニゾン~ラスティックベルと繋がるこのボトムラインは、運動神経を司る質的遺伝を良質に継承しており、7~8番仔にしてノームコアと本馬の2頭のG1馬を輩出しましたが、本馬は更に生産時の配合メリットを受けて出生したことで、目下の戦績のとおり能力の高さに繋がっています。

本馬はこのボトムラインの良質の継承に成功していることから、使い詰めせずに程よい戦績で繁殖入りすれば、更に良質の継承ができる繁殖に成れると診ます。

 

 

 さて、これで春のG1戦線も終了し、3歳路線は牡牝2頭の無敗の2冠馬が誕生するという同時快挙で盛り上がりましたが、古馬路線に目を移すと、牡馬は惨憺たる有様となりました。

 牡牝混合G1は高松宮記念、大阪杯、天皇賞春、安田記念そして宝塚記念の5戦がありましたが、天皇賞春のみ牡馬が勝利し、他は全て牝馬が勝利しワンツーフィニッシュも3戦で達成されました。

 牡馬が勝利した天皇賞春は牝馬の参戦が1頭であり、しかもG1勝ち負けクラスではなく条件馬の参戦でした。

 これではさすがに牝馬に勝ちを譲るというレースレベルには至らず、「サンデーだらけ・キンカメだらけの運動会」と化してフィエールマンの連覇となりましたが、他の4レースはG1勝ち負けレベルの牝馬の参戦があり、高松宮記念は繰上り決着でしたが牝馬が勝利しています。

 

 現在の馬の生産状況は、巨星2頭が亡くなったものの、やはりサンデー系が圧倒しており、それに次ぐのがキンカメ系であり、今回の出走馬構成もこれを反映しているような構成でした。

 これまでもこのブログで度々述べてきましたが、特定の血に偏ってその血が溢れかえっている状況では、その血を父系統に持つ牡馬は、成馬になると野生時代からの本能に基づき闘争本能を失ってしまいます。

 馬は一般的に、走る・蹴る・噛むというその身に備わった3つの武器を用いて闘争するものですが、競馬はその内、走るという武器に焦点を当てて互いに争わせる人工的な競技であり、それはまた、馬が集団内でボスの座を争う際の闘争本能と習性を利用した競技でもあります。

 そして牡馬は、ボスとなって自らの血を遺伝子を残そうとする本能に基づいて、他のライバルと熾烈な戦いをする訳ですから、闘争本能の減退喪失はパフォーマンスの割引、減退に直結してしまいます。

 今回も勝利したのは2頭しか出走していない牝馬であり、突き放された2~5着にはキンカメ系とディープ系の牡馬が入りましたが、既に勝ち馬が抜け出した後であり、闘争本能の減退喪失した馬特有の善戦すれど善戦どまりという走りそのものでした。

 

 今から1年前の話ですが、現在休刊となっている「競馬最強の法則誌」に私の理論に基づく宝塚記念の見解が掲載されましたが、その際に私はレースでも勝利したリスグラシューを本命評価とし、その推奨理由について、なぜ宝塚記念は牝馬セン馬が走りやすいのか、前出のような現在の日本の競走馬の現状、そして欧州や豪州でも同様の情勢にあることを述べた上で解説を致しましたが、結果もその指摘どおりにリスグラシューの圧勝でした。

 結局今年も牝馬が勝利し、何も変わっていないことが分かった訳ですが、牝馬が日本の古馬競馬を席巻し、古馬牡馬勢が揃って不甲斐ない状況が、強い牝馬をより引き立てているとも言えます。

 馬産も当然市場経済原理が働くわけで、父系の血がトレンドとして偏るのは宿命と診ますが、その結末として、牡馬は2~3歳だけ走れば終わりという状況に陥っており、そのような牡馬には、セリ取引の際には本来取説が必要になると思います。

 

 

私はこのレース、メルマガ「重賞分析極秘ファイル」の中で、勝った本馬を本命評価としており、ウマい馬券の方では1頭公開ということで本馬を公開しましたが、簡単に言えば、勝つのは牝馬2頭のどちらかという単純シンプルな2択でした。

既に牝馬ワンツーも3戦で見られたことで、このレースもそうなるのかと診られましたが、そこまで単純ではありませんでした。

 

そのもう一頭の牝馬ラッキーライラックについて、前走G1大阪杯を勝利しており、私もその際は本命評価としておりましたが、今回は3番手評価に落としておりました。その理由は本馬の体調面の不安にありました。

 

以前にもこのブログの中で、牝馬は繁殖シーズンに関わらず、発情を伴う期間(いわゆるフケ)とそうではない期間を生理的な規則・リズムに基づいて繰り返すことについて触れていましたが、本馬の生年月日から診てみると、本馬は中山記念時は発情を伴う期間に入っており、そして大阪杯時は明けて大丈夫でしたが、5月中旬から再び発情を伴う期間に入ったと診られ、これが体調面の敗因と診ています。

牝馬は発情を伴う期間に入ると、その期間中に3回の排卵を小休止の期間を挟みながら迎えるとされており、牝馬の血液は酸性となって走力が衰えることに繋がります。

もっとも、この所謂フケは個体ごとに症状が重いタイプ軽いタイプがあり、これは人間でも同様ですが、本馬は比較的重いタイプと診ており、今回の勝ち馬は比較的軽いタイプと診ています。

本馬の場合は体調面が整えばG1を勝利する能力の持ち主ですので、今回の敗戦は割り切って秋戦線に臨んでいただきたいと思います。

 

 

それから、1番人気に押されて4着に終わったサートゥルナーリアについて、前走金鯱賞を勝利していますが、満年齢でギリギリ3歳であり、相手も軽いメンバー構成でしたが、今回は4歳の誕生日を迎えて古馬初戦となりましたが、伸びずに4着に終わっています。

これはやはり、父ロードカナロアということで、血が溢れ返っているキンカメ系であることが古馬になり闘争本能の減退に繋がり、能力発揮の脚枷になったと診ます。

巷では、レース後になって実は道悪が下手だったという趣旨の場当たり的な結果論だけの安易な解説があるようですが、本馬はその様な形相遺伝背景ではなく、寧ろ逆のタイプです。

今後の路線は分かりませんが、繁殖シーズンやG1シーズン以外の夏競馬や厳寒期の競馬であれば基礎能力の高さで勝利することは可能と診ます。

 

 

 さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、宝塚記念を予想評価しました。

宝塚記念では、勝った2番人気クロノジェネシスを本命評価、1番人気サートゥルナーリアを対抗評価、3番人気ラッキーライラックを前出の理由により3番手評価としておりました。

ウマい馬券の方では絞った1頭公開ということで、クロノジェネシスを公開しましたが、良い公開だったと考えております。

 

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、宝塚記念のみを予想しましたが、こちらは単勝を厚め勝負で的中することが出来ております。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、通算では良績を継続することができております。

的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

全国に発出されていた新型ウイルスに伴う緊急事態宣言が全国解除されて以降、日常を取り戻す動きが本格的になっており、制約が有りながらもプロスポーツや各種アミューズメントが再開されています。

梅雨入りして、マスクの着用が鬱陶しい季節となっていますが、気のゆるみが再度の感染拡大にも繋がることから、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

(仕事のご依頼はmonaka.sabao.88@gmail.comまでお願い致します)

 


ユニコーンSを振り返ります

ここでは、ユニコーンSを振り返ってみたいと思います。

 

ユニコーンS

1着・カフェファラオ

 American Pharoah、形相遺伝として影響が強いのは母母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝4.50であり、激走後は中4週程度は必要。

 

このレースは中央所属2~3歳馬にとって初の中央ダート重賞となりますが、数年前に2歳重賞を充実させた際にダート重賞が皆無で拍子抜けし、今なお明け3歳馬が6月まで中央重賞が無いというのは如何なものかと思われます。

近年のJRAの馬場高速化に対応するため、スピードがあって2歳から動ける米国の血が大量に導入されていることを考慮すれば、ユニコーンSを3歳限定ダートG1に格上げして路線を充実させるべきと考えます。

ジャパンロードトゥーザケンタッキーというシリーズが敷かれていることもあり、2歳や3歳早期に重賞が有っても何らおかしくはないと思われます。

 

今年のこのレースを勝った本馬は、懸念されたゲートも好スタートを決め、5F通過58秒4の速い流れを2番手追走から、直線では持ったまま逃げるレッチェバロックを交わすと、余裕の手応えでレースレコードのおまけつきで圧勝しています。

 

本馬の形相遺伝の対象と診ている母母 Catch the Queenは、米国産で3歳時に3戦して4~6着の成績で未勝利のまま繁殖入りし、本馬を輩出する Mary's Folliesを3番仔として輩出しますが、良駒を輩出するには至っていません。

これでは判然としませんので、そこでこの Catch the Queenを更に調べると、その母父である Wavering Monarchを形相遺伝対象にしていると診られます。

この Wavering Monarchは米国産で3~4歳時に13戦6勝の成績があり、G1はハスケル招待HとサンフェルナンドSを勝利しており、他にチャールズHストラブS2着などの成績があります。

種牡馬としては2歳戦から活躍できることで成功し、代表産駒 Maria's MonはシャンペンS、フューチュリティSを制した米最優秀2歳牡馬であり、このMaria's Monは Monarchosと Super Saverの2頭のケンタッキーダービー馬を輩出しています。

Wavering Monarchは38頭のステークスウイナーを輩出し、ブルードメアサイヤーとしても27頭のステークスウイナーを輩出しており、日本ではあまり馴染みがありませんが、現役時よりも血を残す方で活躍した印象があります。

 

この Wavering Monarchの戦績を総じて診ると8~10F程度に良績が有り、これを形相遺伝対象としている本馬の母母 Catch the Queenは、未勝利でしたが同様の距離適性を持っていたものと診ます。

そうなると、間接的に Wavering Monarchに辿り着く形相遺伝背景を持つ本馬の距離適性についても、やはり同様になると診ています。

 American Pharoahの現役時はスピードを活かした逃げ馬でしたが、他馬が強引に逃げたレースでは番手に控えて抜け出すという走りをしており、本馬の今回や新馬での走りは父によく似ていることから、ヒヤシンスSは出遅れて差して勝利していますが、本馬の走行ベクトルとしては逃げ先行が本質的と診ます。

 

本馬の血統背景は、Mr. Prospector、Native Dancer、Buckpasser、Northern Dancerなど、世界中に溢れ返っている血の近親配合を抱えていますが、本馬は母父が中島理論解釈における0遺伝配合となっていることから、これらがリセット(中島理論ではバッククロス効果と整理されています)され、近親配合に伴うリスクを回避している上に資質の固定が図られているという高配合馬であり、本馬の能力の高さの源泉の一つと診ています。

 

どうやら本馬は、地方交流重賞JDDに登録しているとのことで、仮に出走すると今年は日程の都合でローテーションは中1.5週となります。

血統的に距離適性は問題はないものの、本馬の料的遺伝の観点からはキツいローテとなるのは確かです。

それでも、前走と前々走の間には4か月間隔があること、まだデビュー3戦しか走っていないことを考慮すると、中間に時計を出さない程度の調整に専念すれば今回に限っては対応可能と診ますが、仮に計時するような調整となると、今回のような走りは難しくなると診ます。

今年は9月開催となるケンタッキーダービーが更なる目標となるでしょうが、米国は現在もコロナ禍の状況にあり、WHOは今の米国は第一波すら終わっていないと会見していましたが、陣営が今回JDDに登録したのは、この影響を含めた深謀遠慮があるのでしょうか。

 

 

それから、本馬と言えばやはり有名な父についても触れる必要があるでしょう。

本馬の父 American Pharoahは、米国産で2~3歳時に11戦9勝の成績があり、37年ぶりに Affirmed以来の米国競馬12頭目の3冠制覇を達成、秋にはBCクラシックを楽勝という4冠制覇の米国競馬史上初の快挙を達成し、一般のニュースでも取り上げられるほどでした。そしてこの活躍を受けて「アメリカン・グランドスラム」という言葉まで誕生したほどです。

そして3歳にしてあっさり現役を引退して種牡馬入りし、今年の3歳世代がファーストクロップとなります。

本馬は目下の時点でその代表産駒と言えそうですが、海外では芝で良績を上げている産駒もいるようです。

 

米国芝マイル路線で重賞勝ちがある Sweet Melania、米ジュヴェナイルターフスプリント勝ちがある Four Wheel Drive、仏で重賞勝ちがある Mavenを調べて診ましたが、いずれも母方の芝対応タイプを形相遺伝対象としており、走行ベクトルを司る役割の父が、この芝対応の形相遺伝対象が現世に引き出される際に、そのキャラクターを阻害していないことがわかります。

これは、American Pharoahの父父エンパイアメーカーがカギとなっています。

このエンパイアメーカーは皆様も良くご存知かと思われますが、種牡馬として本邦輸入され、国内での芝重賞勝ち馬も輩出していますが、これは、エンパイアメーカーの形相遺伝対象が米国の芝路線で活躍し、芝G1ゲイムリーHの勝利など15戦7勝の成績がある母 Toussaud であることに由来しています。

このことが、先ほど述べたように芝対応タイプを形相遺伝対象としている場合に、そのキャラクターを無理やりダート加工せずに尊重できる背景となっています。

この父系統を見ていると、Unbridled~ Fappiano という米国的パワーの塊のような系統から、エンパイアメーカー1頭を挟むことによって、この起点から系統がやや変質するという事例として面白く診ています。

 

そして産駒は、米国だけではなく日本、欧州で活躍を見せ始め、勝ち上がり率が高いことで評価を得ているようです。

更に豪州へシャトルされたことで、今後は豪州でも活躍の広がりを見せると診られますが、種牡馬 American Pharoahが何故初年度産駒から世界を股にかけて活躍できているのか、単に新種牡馬というだけではなく、中島理論における「準異父系」として早くも機能できているためと診ています。

以前このブログで、種牡馬 Scat Daddyが何故これほどまでに世界中で良質の産駒を輩出できるのかについて解説したことがありましたが、同じ構図となります。

種牡馬の繁殖能力の進化・退化は、父系4世代で構成される1単位で決まるとされており、父系が新たな単位に入ることにより、種牡馬としての繁殖能力が活性化するというものです。

これを American Pharoahに当てはめると、Mr. Prospectorの血から5世代目であることから、世界中に溢れる Mr. Prospectorから始まっていた1単位から外れ、種牡馬としての繁殖能力が活性化されていることになります。

中島理論では3単位目から準異父系、4単位目からネオ異系とされていますが、種牡馬 American Pharoahの活躍を目の当たりにすると、世界中に溢れる Mr. Prospectorから2単位目に入ったことで、早速準異父系として機能できていると診ています。

もっとも、同様の種牡馬がこれから増えてくると血の溢れ返りとともにメリットも薄れてしまいますので、そうなると Mr. Prospectorから3単位目に入って正規の準異父系になるまで、この系統の活性化は待つこととなります。

 

余談となりますが、American Pharoahのスペルについてですが、どうやら登録届出の際の誤植がそのまま登録名となったようで、4冠達成の際の日本のメディアは「フェイロー」と報じていたところがあり、今回の勝利でも一部メディアでは「フェイロー」と報じていたものが散見されましたが、陣営は現役時から「ファラオ」と呼んでいましたので、種牡馬となってからも「ファラオ」で良いと思います。

 

 

それから、単勝3.1倍と結構な人気を集めて2番人気に押されたレッチェバロックについて、私はメルマガ「重賞分析極秘ファイル」の中で、ある不安材料を指摘した上で本馬をヒモ穴評価まで落としておりました。

その詳細はここでは公開できませんが、結果は逃げたものの9着に終わっており、勝ち馬にマークされるという展開ではありましたが、概ね指摘どおりの要因が祟ったものと診ています。

ちなみにこのレース、2着に追い込んだ3番人気デュードヴァンを本命評価、勝った1番人気カフェファラオは対抗評価とし、11番人気ながら3着に追い上げたケンシンコウをヒモ穴評価としておりました。

 

 

 さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、ユニコーンSの他に函館スプリントSを予想評価しました。

ユニコーンSでは、前出のとおり3番人気デュードヴァンを本命評価、勝った1番人気カフェファラオを対抗評価、11番人気3着ケンシンコウはヒモ穴評価としておりました。

また、函館スプリントSでは、スリーケープマンボの逃げを想定した上で、5番人気エイティーンガールを本命評価としましたが、まさかの大外からダイメイフジが逃げて血統ペースが全く異なる展開となってしまい、全く冴えませんでした。

ちなみに、ダイメイフジが逃げて作り出した血統ペースにきちんと適合できる馬が3頭しかおらず、逃げ馬をプラスしたその4頭が1~4着で決着しており、ダイメイフジが逃げるという想像力が無かった自分に辟易します。

それでも、函館スプリントSは冴えませんでしたが、ユニコーンSではレッチェバロックの評価を下げたことを含めて、読者様の一定のお役に立てた内容だったと考えております。

 

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、前出の2重賞の他にOPリステッドを2レース予想しましたが、ユニコーンSでは馬連と2~3着のワイド及び三連複を的中、OPリステッドも三宮Sで馬連を的中しております。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、良績を継続することができております。

的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

全国に発出されていた新型ウイルスに伴う緊急事態宣言は全国解除され、日常を取り戻す動きが本格的になっており、プロ野球もスポーツ界の先陣を切るように開幕しました。

梅雨入りして、マスクの着用が鬱陶しい季節となっていますが、気のゆるみが再度の感染拡大にも繋がることから、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

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エプソムCを振り返ります

ここでは、エプソムCを振り返ってみたいと思います。

 

エプソムC

1着・ダイワキャグニー

父キングカメハメハ、形相遺伝として影響が強いのは母母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝4.00であり、激走後は中5週程度は必要。

 

今年のこのレースは、前日からの降雨の影響で不良馬場となりました。

梅雨入り直後の微妙な時期ということもあって、昨年は稍重、一昨年は重と3年連続道悪馬場で行われていますが、今年の東京春開催は毎週のように何らかの気象の影響を受けており、例年は馬場悪化の際は欧州型が台頭する印象がありましたが、今年は米国的なパワフルな要素が求められている印象があります。

勝った本馬は6歳馬で今回を含めた8勝全てが東京コースという極端なタイプですが、重賞挑戦13度目にして初重賞制覇となりました。

一昨年のこのレースにも参戦しており、この際も重馬場での走りでしたが、1番人気を背負って14着大敗を喫し、今年は雪辱を果たした形となりました。

その一昨年の際は、メイS快勝後の臨戦でしたが、激走後中2週のローテが本馬には過酷だったことが大敗の要因であり、この観点からは今年は間隔を空けて良いローテだったと診ます。

 

本馬の形相遺伝対象である母母トリプルワウは、加国産で現役時は加米国で2~5歳時に42戦14勝と芝ダート問わずタフに走った成績があり、重賞勝利は米アケダクトのネクストムーブハンデというG3を勝利しています。

14勝の内10勝は加国での走りですが、加国は現地産馬限定レースが数多く残っていることからレベル的にはどうかも、国際グレードではない現地重賞のようなレースも複数勝利しています。

引退後は繁殖入りし、加国年度代表馬に選出されその後殿堂入りも果たした Alywowを初年度に輩出、繁殖生活途中からは本邦輸入もされましたが、続く良駒を輩出するには至りませんでした。

母母トリプルワウの良績は8F~10Fに有ったことから、本馬のこれまでの距離実績そのものと言えますが、このトリプルワウは、米国三冠12F戦のベルモントSを勝利した父 Coastalを形相遺伝対象としていることから、12Fでも対応可能な血統背景にあると診ます。

本馬は昨年のJCで果敢に逃げて6着に終わりましたが、大きく破綻しなかった走りからは、この一端が現れていると診ます。

そして、本馬は今回6歳にして漸く重賞初制覇となりましたが、実は母母トリプルワウも唯一の国際グレード重賞勝利は5歳であり、こういった点にも血の繋がりを感じてしまいます。

 

本馬と言えば、以前から所謂サウスポーとして知られていますが、このブログでも度々指摘しているように、米国で活躍した馬を形相遺伝の対象としている場合、左回りのパフォーマンスは良いが、右回りを苦にするタイプに出るケースがあると指摘してきました。

本馬の形相遺伝背景が活躍した米国や加国も左回りコース専用であり、このような環境下では左回りに対応できなければ当然にして淘汰されることから、所謂サウスポーに出るのは当然と言えます。

陣営も途中から分かったようで、本馬は今回で24戦目でしたが右回りは4戦のみ。右回りでは手前の捌きがぎこちないまま走って終わっています。

このような、右回りタイプ左回りタイプのような見分け方は、巷に蔓延している父や母父だけで済ましてしまう血統解釈では分かりません。

本馬は数を走っていますので今でこそバレていますが、本馬の父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンス、これでは有り触れ過ぎていて分かる訳がありません。

血統表は馬の設計図ですので、これを読み解く中島理論に基づく血統解釈の重要性を感じます。

 

 

それにしても、またしても週末の競馬は降雨に見舞われ、北海道を除いて梅雨入りということもあって東京は土日とも不良馬場での開催となりました。

不良馬場ということで、馬場対応が出来ずに本来の能力を発揮できないまま凡走してしまう馬も散見されましたが、道悪馬場の巧拙は98%血統が影響しており、やはり馬の設計図で決まります。

ちなみに、残りの2%は降雨や水分を嫌がって走らないという後発性の気性面や、降雨や道悪馬場によるアクシデント等に見舞われた経験に伴うコンプレックスです。

 

一般的に、道悪馬場への対応を診るにあたっては、格言的に以下のようなポイントが挙げられるかと思います。

対応可能なタイプとしては、

  ・跳びが小さい

  ・脚の回転が速い

  ・掻き込む走法

  ・蹄底が厚くコンパクト

  ・繋ぎが立っている

  ・走行姿勢が高め

  ・◯◯産駒は道悪が上手

 

この逆に、対応不可のタイプとしては、

  ・跳びが大きい

  ・胴が長い

  ・脚を前に投げ出す走法

  ・蹄底が薄いベタ蹄

  ・繋ぎが寝ている

  ・走行姿勢が低め

  ・◯◯産駒は道悪が苦手

 

これらのようなポイントが挙げられると思います。

しかし、実際の競馬を見ると、対応不可の要素を持っているタイプでも道悪馬場に対応して好走するケースはよくあります。

 

これまでこのブログで血統解説をする中で、血統背景から道悪馬場の巧拙について個別に何度も触れておりましたが、やはり形相遺伝対象の「形」の遺伝が最重要ポイントであり、この「形」の遺伝対象先祖とその系統が、道悪に対応できるタイプかで解釈することとなります。

今回勝利した本馬を診ると、所謂ベタ蹄であり、繋ぎも立っているというよりはクッションの効く寝ている部類に入ることから、格言的には道悪は苦手であり、一見すると早い馬場で決め手を活かす走りが可能なタイプに見えますが、今回不良馬場の中で番手から強気に抜け出し、押し切り勝ちを収めています。

これはやはり、形相遺伝対象の系統がパワーに溢れる米国型 Native Dancer系統であることが不良馬場の力の要る状況に対応可能となり、尚且つこの血の特徴を活かすような番手から押し切るという米国的な走りをさせたことが激走に繋がったと診ます。

 

馬体に現れる様々な特徴というのは、形相遺伝対象が現世に引き出される際に、父と母(母父)による加工処理が施されることから、この相関関係で馬体に現れることとなります。

形相遺伝対象の特徴がそのまま馬体の特徴に表れるケースが多いのですが、父と母(母父)の加工が前面に出るケースもあるため一頭一頭診る必要がありますが、本馬の事例でもわかるように、格言的に言われる道悪対応を見る馬体パーツの特徴はあくまでも参考程度であり、前出したような形相遺伝背景により判断することが重要と診ます。

 

また、◯◯産駒は上手・苦手という一括りで捉えてしまう解釈が横行しているようですが、これは危険な解釈と診ます。

巷でよくあるのは、ステイゴールド産駒とハービンジャー産駒が上手いと解釈されている事例でしょうが、勿論上手い産駒もいれば、ドがつくほど下手な産駒もいます。

道悪の巧拙は種牡馬だけで判断できるものではありませんので、このような安易な解釈により脳を思考停止にさせることなく、一頭一頭血統解釈が必要と診ます。

これから梅雨シーズンが本格化し、降雨及び馬場悪化は避けられませんので、益々一頭一頭ごとの血統解釈は重用されるべきと思います。

 

なお、前出の Native Dancer系統は大別すると米国型と欧州型がありますが、今回の道悪対応解釈は函館・札幌の洋芝では少々事情が異なり、同じ Native Dancer系統でも欧州型が優勢となることを申し添えます。

 

 

 さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、エプソムCとマーメイドSを予想評価しました。

エプソムCでは、2番人気ピースワンパラディを本命評価としておりました。

前走で条件戦を勝利し、今回のメンバーでは少々能力的に足りないものの、馬場対応の高さで補えると診たのですが、本馬は欧州型であり、米国型が優勢となった今回はまだ家賃が高かったようです。

マーメイドSでは、1番人気エアジーンを本命評価、3番人気リュヌルージュを対抗評価とし、勝った7番人気サマーセントは3番手評価としておりました。

ウマい馬券の方では絞った公開ということで、最低16番人気パルクデラモールを公開しましたが、肝心の想定逃げ馬オスカールビーが出遅れてしまい、冴えない結果となってしまいました。

それにしても、最低人気を対象とするのはエプソムCの方だったとは・・。

 

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こちらは、前出の2重賞の他に天保山Sを予想しましたが、マーメイドSではタテ目でしたがサマーセントからの馬連とワイド2点、更に三連複を的中しており、天保山Sでは馬連と三連複を的中することが出来ております。

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全国に発出されていた新型ウイルスに伴う緊急事態宣言は全国解除され、日常を取り戻す動きが本格的になっています。

梅雨入りして、マスクの着用が鬱陶しい季節となってきましたが、気のゆるみが再度の感染拡大にも繋がることから、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

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今日はここまでです。

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安田記念を振り返ります

ここでは、安田記念を振り返ってみたいと思います。

 

安田記念

1着・グランアレグリア

父ディープインパクト、形相遺伝として影響が強いのは母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝7.00であり、激走後は中1週程度は必要。

 

今年のこのレースは、例年なら海外遠征をしている組が参戦することとなり、G1馬が10頭集うというタイトルの数では豪華メンバーとなりました。

東京府中地方ではレース前日の夕方から強雨に見舞われ、排水の良い東京芝コースは晴天の下で稍重まで回復しましたが、それにしても、今年の春G1戦線は週末は何らかの気象の心配が付き纏いました。

勝った本馬は道中は中団で進み、前門の先行勢、後門のアーモンドアイという難しい位置取りとなりましたが、直線ではあっさりと抜け出してスピードに乗ったまま押し切りました。後述するように、アーモンドアイが本来の走りを欠いたことも勝利できた要因の一つと診ます。

 

本馬の形相遺伝対象である母タピッツフライは、米国で2~5歳時に24戦7勝という成績があり、ジャストアゲームS、ファーストレディSという芝G1を勝利しています。

未勝利戦こそダートの勝利ですが、残り全ての勝利が芝であり、しかもその距離は8~8.5Fに限られており、更に芝での2着の成績を見ても8~8.5Fに限られています。そして生涯成績でも9Fまでしか走っていません。

 

このように診てくると、母を形相遺伝対象とする背景からは、本馬の距離適性は16~1700m程度までと思われますが、私はそうではないと診ます。

更にこのタピッツフライを調べてみますと、その母である Flying Marlinを形相遺伝対象としていることが分かります。

Flying Marlinの父 Marlinは米国で芝の中長距離路線でG1を4勝しており、タピッツフライの父がダートで活躍した Tapitであっても芝で活躍できた源泉と診ています。そして、この Flying Marlinの形相遺伝背景を調べてみると、中距離路線でも活躍できる背景があり、タピッツフライは9F戦で3走して好走はありませんでしたが、これは距離適性以外の要因により凡走したものと診られます。

これらのことから、本馬の距離適性については、2000m程度であれば距離対応は可能と診ていますが、気になる点があります。

 

本馬はこれまで右回り戦を3戦していますが、朝日杯FSも桜花賞も少なくとも直線に入ってからは手前を替えないまま走っており、桜花賞ではゴール目前のところで疲れて手前を替えているように見えます。

そして阪神Cでは、直線に入ったところで一度手前を替え、以降はそのまま走り切っていますが、少なくとも右回りにおいては、手前を替えることが不得手なタイプと診ます。

このブログでも度々指摘しているように、米国型を形相遺伝の対象としている場合、左回りのパフォーマンスは良いが右回りを苦にするタイプに出るケースが多いと指摘しております。

今回の左回りでは、抜け出すタイミングで手前を替えており、左回りで追い切られた調教の映像からもスムーズに手前を替えていることが分かります。

これらの考察を踏まえると、本馬の距離適性については、左回りであれば形相遺伝背景のとおりに中距離対応も可能、右回りとなるとマイルが限度という非対称なタイプと診ます。

 

それから、本馬の母タピッツフライを診ると Mr.Prospectorの4×4×5、Nijinskyの4×4という近親配合を抱えていることから、その弊害が懸念されているようですが、タピッツフライの父 Tapitが母の初仔であること、母母 Morning Doveが空胎後の仔であること、更には母父の父 Sword Danceが Nijinskyの0遺伝の産駒であることから、近親配合リスクの弊害が生じない配合となっています。

これまでも度々触れていますが、巷で言われる「奇跡の血量3×4」のような近親配合を抱えている名馬は、近親配合の危機を回避する術により生産されていることは言うまでもありません。

そして、先週のダービーでも触れましたが、本馬もやはり生産時の配合サイクルの良さを受けて出生している優駒の一頭でもあります。

 

私は昨年の桜花賞の振り返り考察において、右回りでこのような素晴らしいパフォーマンスを発揮してしまうとなると、もしもこれが左回りだったら、と想像すると驚愕であると綴っておりました。

前走の高松宮記念は、明らかに距離不足の上に不得手である重不良馬場という舞台の中で、レース上は3位入線(2着繰上)という不完全燃焼の走りに終わっており、今回が桜花賞の際の私の想像の答えが出るレースと診ておりましたが、G1の舞台で圧巻の走りを披露したと診ます。

 

 

それから、単勝1.3倍の圧倒的1番人気に押されながら2着に敗れたアーモンドアイについて、スタートで少々出遅れましたが、得意の左回りにも関わらず道中の行きっぷりが悪く、最後の直線でも弾けるような走りが影を潜め、インディチャンプをギリギリで交わして2着に上がるのが精一杯でした。

陣営からは、表向きは何ともなかったが、中2週が影響したのかもしれないという趣旨のコメントが出ていましたが、敗因が今一つはっきりしていないようです。

私に言わせれば、敗因は単純明快で、本馬の料的遺伝から診て中2週のローテが厳しかったという一言に尽きます。

 

これまで、このブログで本馬が勝利したレースではその都度、本馬の血統の基本情報として、形相遺伝背景と料的遺伝について示しておりましたが、このブログを普段からお読みいただいている皆様であれば、今回の本馬の走りの原因はご理解いただいたものと思います。

本馬のローテーション的体力を指す料的遺伝数値は3.50と乏しい部類であり、激走後は中6週程度は間隔が欲しい体力となります。

落とし穴だったのは、前走のヴィクトリアマイルが楽勝だったことです。

確かにレースでは最後の直線でも追うところ無しの楽勝圧勝だったため、陣営も中2週での安田記念参戦を決意したと思われますが、いくら楽勝だったとはいえ、常に全力で走るタイプで好時計で走破しており、本馬の料的遺伝の観点から診れば、その前が5か月空いたことを考慮しても、やはり少々キツいローテとして扱うこととなります。

中間の調整も馬なりに終始していたようですが、それでもタイムが計時されているようでは、体力の消耗に繋がっていたと診ます。

 

それでも、本来の走りを欠きながら2着に上がりましたが、これは本馬のさすがの能力の高さを示したこと、後述するように古馬牡馬勢が強力牝馬勢の前では不甲斐なかったことが要因と診ます。

 

私はメルマガ「重賞分析極秘ファイル」の中で、本馬についてはこの料的遺伝の観点を不安材料として挙げ、本馬を対抗評価に落としておりました。

そして本命に評価していたのが勝利したグランアレグリアでした。これは、ローテのキツさから本馬が本来の走りを欠く可能性が高いと診たことが大前提となっており、その見立てどおりの結果となり、良い予想が出来たと考えております。

 

 

それにしても、今回の牡馬11頭の内訳はサンデー系6頭(内ディープ産駒4頭)、キンカメ系2頭、その他3頭という血が偏ったメンバー構成でした。

現在の馬の生産状況は、昨年巨星2頭が亡くなったもののサンデー系が圧倒しており、ディープ産駒はおろか、ディープ孫産駒まで溢れ出しており、それに次ぐのがキンカメ系でこれを反映しているようなメンバー構成でした。

これまでもこのブログで度々述べてきましたが、特定の血に偏ってその血が溢れかえっている状況では、その血を父系統に持つ牡馬は、成馬になると野生時代からの本能に基づき闘争本能を減退・喪失してしまいます。

今回は牝馬が3頭出走し、1~2着したのは牝馬であり、そしてもう少しで3着というところまで迫った4着も牝馬ということで、中島理論の観点からはとても分かり易いシンプルな決着でした。

 

今年の安田記念は史上最高メンバーと呼ばれましたが、古馬牡馬勢は闘争本能を失っている馬が多く、G1牝馬勢の前では歯が立ちませんでした。

この構図は・・そうです。4月に行われた大阪杯とそっくりです。このレースもG1牝馬が2頭参戦し、その2頭が1~2着という単純な結末でした。

同じような血が溢れ返っていることで古馬牡馬勢が闘争本能を失って振るわない状況が続き、特にG1戦線ではますます牝馬の時代が続きそうです。

 

 

 さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、安田記念と鳴尾記念を予想評価しました。

安田記念では、勝った3番人気グランアレグリアを本命評価、2着アーモンドアイを前出の理由により対抗評価とし、昨年の覇者インディチャンプを3番手評価としておりました。

ウマい馬券の方では絞った公開ということで、グランアレグリアとアーモンドアイを公開しましたが、良い公開だったと考えております。

また、鳴尾記念では、3歳馬キメラヴェリテの逃げを想定した上で7番人気ドミナートゥスを本命評価としましたが、全く違う展開となってしまい冴えませんでした。

 

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、前出の2重賞の他にスレイプニルSを予想しましたが、安田記念では単勝と馬連を各1点で、更に三連単を的中しており、スレイプニルSでは馬連1点のみで勝負し的中することが出来ております。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、通算では良績を継続することができております。

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新型肺炎ウイルスの蔓延は世界中に広がり、そしてその対策と日常ではない対応が求められ、現在も世界が混乱しています。

そして、全国に発出されていた緊急事態宣言は全国解除され、日常を取り戻す動きが本格的になってきました。

それでも、気のゆるみが再度の感染拡大にも繋がることから、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

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日本ダービーを振り返ります

ここでは、日本ダービーを振り返ってみたいと思います。

 

日本ダービー

1着・コントレイル

父ディープインパクト、形相遺伝として影響が強いのは3代母の父の母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝4.25であり、激走後は中4週程度は必要。

 

全国的に新型ウイルス禍による緊急事態が解除されましたが、中央競馬は引き続き6月の開催も無観客で行われることが発表されました。

ウイルス禍の厳重警戒下での開催でしたが、中止となるような重大事象も発生せず、これまでスケジュールどおりに開催が施行されたことは、開催に関わるすべての方々のご尽力の賜物であり、競馬を楽しむ末端の一葉として感謝を申し上げます。

 

この様な中で、戦中の76年ぶりの無観客開催で日本ダービーが行われましたが、圧倒的1番人気に押された本馬が3馬身差で圧勝、父以来となる史上7頭目の無敗の2冠馬となりました。

本馬は2017年生まれの7262頭の頂点に立ったわけですが、世界に目を向けると、本来各国でダービー馬誕生のこの時期に開催そのものが出来ない状況下にあり、まるで本馬は、世界の3歳馬を代表してダービー馬に輝いたように見えたのは過言でしょうか。

 

さて、本馬の血統面についてですが、皐月賞の際に一度考察しておりましたので、そちらをご参照願います。ここでは、その考察の際に触れていなかったことについて進めることとします。

 

どうやら巷では、未勝利に終わった母から、どうしてこのような名馬が誕生したのだろうと話題になっているようです。

これについては、母ロードクロサイトがキャリア7戦という浅さで繁殖入りしていることが大きいと診ます。

牝馬はレース数を酷使してしまうと、自身の生体エネルギーを消耗して疲弊してしまい、繁殖入りしてからは毎年の連産が待ち構えており、仔に良いエネルギーを伝達できなくなってしまいます。

そのため、レース数を使わないで早々に繁殖入りしたことは良好であり、現役時の成績は一切関係なく、仔へ伝える血統背景が重要となります。

 

そして輩出した産駒を見ると、母ロードクロサイトは現役馬を3頭輩出、本馬は3連産目の3番仔となりますが、初仔バーンフライは現在3勝クラスで奮闘中、2番仔アナスタシオは中央1勝で地方転出して2勝を挙げていますが、2頭とも本馬の半兄というには比較にならない成績です。

 

これは、配合生産する際の繁殖シーズン期における種付けのタイミングと母のコンディションが関わっているからなのですが、牝馬は繁殖シーズンに関わらず年間を通して発情する期間(いわゆるフケ)とそうではない期間を生理的な規則・リズムに基づき繰り返しますが、発情する期間の最も良いとされるその期間の初期に、生理法則に基づく良いサイクルで種付けされていることが良駒の輩出に繋がります。

(この生理法則・種付けサイクルについては、中島理論やフェデリコ・テシオ氏の生産理論によるものですが、詳細は極めて複雑緻密ですのでここでは割愛します。)

 

この観点から本馬をスタッドブックから診ると、種付けのサイクルは、実は母から特殊メリットを受けていて絶好なサイクルで種付けされており、母のコンディションは良好なサイクル、種付け日から算出される出産予定日から14日後に出生とこの点ではロスがありますが、結果として良好なサイクルで出生していることが分かります。

 

そして、同様に初仔バーンフライを診ると、種付けサイクルは良いのですが、母のコンディションが完全に逆パターン、そして出産予定日から4週間後という大出遅れの上に平凡なサイクルで出生しており、本馬とは状況が異なります。

それでも、初仔であること、種付け時のサイクルが良好であることで、3勝クラスで連対できるところまで成績を挙げています。

それから、同様に2番仔アナスタシオを診ると、種付けサイクルは平凡、母のコンディションが完全に逆パターン、そして出産予定日から12日後と遅れ、やや良好と言えるサイクルで出生しており、やはり本馬とは状況が異なります。

 

この「種付けのサイクル」について、中島理論におけるその概念は、種牡馬が支配しているものですが、私の長年の独自研究により「母から得られる良質のサイクル」という概念が実は存在し、このサイクルが良質である場合、母から仔へ伝達される質的遺伝の要素である運動神経・スピードが良質に遺伝されることになります。

(このサイクルの詳細については無料ブログでは割愛させていただきます。)

 

本馬の場合、中島理論の解釈から診ると平凡な種付けのサイクルになってしまうのですが、私の独自研究の母の観点から診ると、実はこれ以上ないという絶好のサイクルで種付けされており、形相遺伝対象が現世に引き出される際に父と母によるキャラクター付けが行われ、偶発では得ることが難しい、極めて良質の運動神経・スピードが母から注入されて結実したのが本馬となります。

本馬について、巷ではディープ産駒の最高傑作と評されているようですが、このような配合メリットの観点から診ても、そういった評価に違わぬ優駒であると診ます。

 

 

昨年2歳、今年3歳の重賞1~2着馬を調べると、前出の私の独自研究による母から絶好のサイクルを受けている馬が3頭おり、1頭は本馬ですが、他の2頭はNHKマイルCを制したラウダシオンと、朝日杯FSを制したサリオスです。

本馬はこれ以上ない絶好のサイクルと評しましたが、ラウダシオンとサリオスについては、準・絶好のサイクルとして評価できます。

牝馬G1馬は、デアリングタクトもレシステンシアも私の独自研究のサイクル対象馬ではありませんでしたが、中島理論における出生のサイクルが良好な馬であり、優駒というのはこのようにして輩出されるのだなと再認識しました。

 

今回の勝利で本馬は父以来の無敗の2冠馬となり、秋は3冠を目指すと発表がありましたが、能力として本馬を逆転できる馬が出てくるのか、それとも皐月賞では舞台状況に苦しんだように、改修前最後の菊花賞の舞台が本馬を苦しめることになるのか、血統的には目星がついているのですが、秋まで慎重に診る必要があるでしょう。

 

 

それから、2着に終わったサリオスについて、私は皐月賞の振り返りの際に、最後の直線でコントレイルと一騎打ちの競り合いの末に敗れたことにより、同馬に対してコンプレックスが生じている可能性を指摘しておりました。

テレビ観戦でパドックを注視していましたが、尻尾を振る仕草が目に付きましたが、これは皐月賞でも見せていた仕草で本馬の癖なのでしょうが、その振り方が全く異なっていました。

皐月賞ではそれこそ癖のように穏やかに振っているように見えましたが、今回は扇風機のようにブンブン振り乱しているように見えました。

一般的に、このように尻尾を振る行為は、馬の精神状態として不安や恐れの表れの一つであり、皐月賞では見られなかったブンブン振り乱す尻尾の振り方を見て、やはりコンプレックスが生じていると診ました。

そしてレースでは、コントレイルの後方から迫りましたが、皐月賞の走りの際以上に耳を絞ってペッタリと倒して走っており、耳を立てて走っているコントレイルとは対照的であり、コントレイルが嫌で仕方がないという走りで同馬に突き放される結果となりました。

 

テレビ中継に電話出演していた某大御所解説者は本馬について、「競り負けたことを馬は覚えているので気になる」という趣旨のコメントを発していましたが、これは、私がこのブログで常々発しているコンプレックスの概念そのものです。

昔から競馬関係者の間では「悪い癖がついた」という表現で認識されていますが、能力を出し切る走りの中で負けたことを認識することで生じるものであり、それは、最後の直線における競り合い等となります。

コンプレックスの対象となった相手と次走以降、同じレースに参戦した場合、陣営が何等の工夫も施さないと本来の能力を発揮できない走りとなってしまいます。

本馬は今後どの路線を進むかは分かりませんが、馬の記憶は概ね1年程度とされていますので、陣営がこのことを認識していれば、コントレイルとは別の路線を進む方が賢明かもしれません。

本馬は、前出のコントレイルの配合のところでも触れたように、高配合で生産されている優駒であることから、舞台を変えての活躍を期待します。

 

 

 さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、日本ダービーの他に目黒記念と葵Sを予想評価しました。

日本ダービーでは、勝ったコントレイルを本命評価、2着サリオスを前出の理由によりヒモ穴評価まで落とし、8番人気ディープボンドを3番手評価としておりました。

ウマい馬券の方では絞った公開ということで、ディープボンドとウインカーネリアンを公開しましたが、ディープボンドはタイトな臨戦過程となりましたが、善戦したものと診ます。

また、目黒記念では、ウラヌスチャームの逃げを想定した上で9番人気ニシノデイジーを本命評価としましたが、全く違う展開となってしまい冴えませんでした。

そして葵Sでは、勝ったビアンフェを本命評価、11番人気ながら2着と好走したレジェーロを対抗評価、3着5番人気ワンスカイをヒモ穴評価としており、2番人気ビップウィンクは不安材料があることからヒモ穴評価と下げておりましたが、見込みどおりに9着と崩れており、読者様の一定のお役に立てた内容だったと考えております。

 

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、前出の3重賞の他に欅Sと安土城Sを予想しましたが、葵Sでは馬連とレジェーロからのワイド及び三連複、欅Sは馬連、安土城Sでは15番人気グランドロワからのワイドを的中することが出来ました。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、通算では良績を継続することができております。

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