ここでは、北九州記念を振り返ってみたいと思います。

そして、後段では先週のあの事件について触れたいと思います。

 

北九州記念

1着・レッドアンシェル

マンハッタンカフェ、形相遺伝として影響が強いのはと診ています。

ローテ的体力は料的遺伝3.50であり、激走後は中週程度は必要。

 

このレースは以前は中距離で施行されていましたが、2006年から短距離戦へ条件変更となり、今年出走したモズスーパーフレアが条件変更後の初のG1馬出走ということで、これがレースにスパイスを与えました。

ハンデ戦ということで、G1馬がなかなか出走しないのは仕方ないと思いますが、私は57kgが相当と思っていたところ、ハンデキャッパーも折角のG1馬が回避しないように0.5kgオマケしたような印象があります。

レースはそのモズスーパーフレアが逃げ馬乱立から好スタートを決めてハナを奪うと、ハイペースのまま逃げ切りを図りましたが、ブリンカー効果もあった勝ち馬の強襲が決まり、人気薄勢の差しも決まるかというところをG1馬が0.5kgの分?2着に踏ん張りました。

 

本馬の形相遺伝の対象と診ている母スタイルリスティックは、米国産で米加国で2歳時に1勝という戦績が残っています。米国産ですがダートではなく芝を使われ、初勝利こそ7F戦でしたが、他の3勝そして2~3着を診ても全てマイル路線で良績を残しています。

3歳に引退して米国で繁殖入りその後本邦輸入された繁殖ですが、本馬が出世頭と言える成績を上げており、他に良績を挙げている産駒が見当たりません。

この要因について、引退翌シーズンから早速種付けされていること、更にはスタイルリスティック自身の料的遺伝数値が2.75と乏しい体力であり、繁殖となって一世代経て産駒にエネルギーを伝達する側になり、自身が抱える料的遺伝クレジット2.00(一世代経ることでボトムラインの Deltaから Basinへ伝達された0.75は遺伝伝達外となります。)と、母から産駒へ伝える料的遺伝数値分が出産年によってどれだけの数値に変動するかの合計値が産駒の体力を司る料的遺伝となりますが、最大合計値でも4.00と並みの体力しか産駒へ伝達できないことから、この料的遺伝の乏しさがなかなか良駒を輩出できていない要因と診ます。

それで言えば、母自身から本馬への料的遺伝数値は1.50と良好であり、合計3.50しかありませんが、これでも本馬はこの繁殖からは良い部類となります。

そして、本馬は母スタイルリスティックが2012年シーズンに種付けをしなかったことによる空胎後の産駒であることから、1シーズン充電期間を得た母から良質の生体エネルギーを受け取っている良駒であり、不足している体力を質で補っている産駒とも言えます。

この体力不足の繁殖から今後も良駒を輩出するには、やはり隔年で産駒を輩出する生産方法を採用するべきであり、毎年連産しても余程の工夫を施さなければ良駒の輩出は難しいと診ます。

 

本馬はこのような形相遺伝背景を持ち、母の戦績そして母の形相遺伝背景を更に調べてみても、私は本馬は本質的にはマイラーと診ています。

確かにスプリント戦を使い出した頃は良績を挙げていますが、そのスプリント戦でも近走冴えない状況に陥り、今回初ブリンカーでショックを与えて勝利していますが、これはスプリント戦で集中させて無理矢理に走らせる一過性のショックに見えてしまいます。本馬にはスプリント戦は忙しいと思うのですが・・。

 

次走は本番スプリンターズSへ直行するとのことですが、今回の激走から中5週のローテとなり、本馬の料的遺伝の観点からは中1週程度不足することから、中間の調整は軽めにするなどの工夫が必要と診ます。

今回逃げたモズスーパーフレアが本番でも逃げるとなれば、本馬にとって血統ペースは適合することから「予選落ち」ということはありませんが、サンデー系の古馬牡馬であることやブリンカーの2度目が効くのかなど、留意する点が多いと診ます。

 

 

そして2着に終わったG1馬モズスーパーフレアについて、以前このブログでも触れたことがありましたが、血統背景から診てこの馬はパワー型スプリンターですので、最後に坂を駆け上がるような要素があると良さを発揮するタイプであり、京都や小倉のような舞台ではその良さが発揮できないと診ます。

昨年のこのレース4着、以降は京阪杯8着、シルクロードS4着と京都で冴えず、今回も最後に止まったと鞍上はコメントしていますが、失速と言うよりも走りが空回りしており、最後は後続に殺到され、ハンデ差はありましたが15番人気の馬にも0.1秒差まで迫られています。

この陣営の起用の仕方から診ても、あまり馬のキャラクターを考慮しないで起用する印象があり、このことにより馬がストレスを抱えなければいいですが・・。

 

 

さて、ここから話は変わり、先週起きたあの出来事について触れます。

驚かれた方も多かったと思いますが、ばんえい競馬を主催する帯広市は17日、この日の第1レースに出走予定だったタケノセーイコー(牝3歳)の出走取消を発表しましたが、その理由が何と、前日に出産したことが判明したというものでした。

この出走取消理由について、帯広市によると「16日に厩舎で出産していたことが判明、今年の5月に入厩した馬で、逆算すると昨年の秋に受胎していたことになる。獣医師によると、初産の場合は乳房の張りも目立ず妊娠の兆候をつかむのは難しく、入厩前の牧場で父親不明のまま受胎していたことになる。」という内容でした。

このタケノセーイコーは8月3日にデビューし、第2障害を越えられず競走を中止しましたが、この時点で妊娠末期、出産目前という状態だったことになり、出産した16日に競馬場を退厩となりました。

 

この話題を巡っては、各メディアにて「前代未聞の事件」として扱われましたが、日本では1970年代にモリケイとシバカオルという2頭の牝馬が、妊娠していた状態でレースに出走しており、決して前代未聞の事件ではありません。

海外では、ディープインパクトの母として知られるウインドインハーヘアが、アラジの仔を妊娠していた状態で独G1アラルポカルを勝利し、この他にも Indian Queenや Chinese White、Cassandra Goといった牝馬が妊娠した状態でG1を勝利するという事象が近年起きています。

 

この妊娠及び出産の牝馬の取り扱いについては、それぞれ国により制度が異なるためここでは触れませんが、共通しているのは、妊娠していたと推測される期間に良績が挙がっているということです。

妊娠することで身重になって成績が悪くなるという印象がありますが、これには野生時代から備わった牝馬の身体の仕組みが大きく関わっています。

野生馬はボスの下で牝馬がハーレムのように群れを作って生活しますが、いざ外敵に襲われた際には、牝馬も群れから取り残されないように、牡馬と同じスピードで全力で逃げなければなりません。

しかし、このブログでも度々述べていますが、牝馬はフケを伴う女性期間に入っている場合には血液が酸性となって走力が低下し、外敵から逃げきれずに捕まって餌食になってしまいます。

実は牝馬は、妊娠すると血液が酸性から中性に戻り、走力を回復するという身体の仕組みを持っています。これは、草食動物が野生の中で肉食動物から生き残る、群れを守る、子孫を残すという種の保存の能力が備わっていると考えられています。

そして、牝馬はできるだけ走力の高い中性状態でいられるよう、妊娠するべくボスの交配権を巡って牝馬内の序列闘争が起きるのです。

強い牝馬は早々にボスからの交配を受け、弱い牝馬は交配順が遅れ、もしくは交配されないということに繋がり、血液が酸性の状態で外敵に襲われた際には餌食となってしまい、それは野生においては死を意味します。

 

この牝馬の闘争についてですが、牡馬の闘争とは事情が異なります。

牡馬はボスとなって血を残せるか否かの闘争であり、牝馬のそれはボスから寵愛を受ける順番決めの序列闘争となります。

嘗て、某国会議員が「2番ではダメなのですか?」という迷言?を残しましたが、これに当てはめると、牡馬の場合はボスに成れるのは1番だけであり、2番以下はボスに成れませんので2番ではダメなのです。

一方、牝馬の場合は序列闘争ですので、1番に成れなくても2番でも3番でもボスから寵愛を受けられれば良く、下位に成らなければ良いということになります。

 

牝馬はこのような身体の仕組みが有るため、前出のような妊娠している牝馬がレースに出走して良績を挙げるということに繋がっています。

今回のばんえい馬の場合は、レースの性格上少々異なるのでしょうが、それでも入厩前とは言え、人間の目が行き届かない僅かな隙に、秘かに野生時代からの本能に基づく発情そして交配が行われていたことに、不謹慎かもしれませんが、私は心温まる思いがしました。

 

 

 さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は北九州記念と札幌記念を予想評価しました

北九州記念では3番人気トゥラヴェスーラを本命評価とし、5番人気ジョーカナチャンを対抗評価、10番人気で3着に入ったアウィルアウェイを3番手評価としましたが、勝ち馬には評価が及びませんでした。

そして、札幌記念では1番人気ラッキーライラックを本命評価としましたが、普段と違って意表の先行策に出て3着に終わっています。

 

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、北九州記念と札幌記念、そしてNST賞を予想しましたが、いずれも冴えない結果に終わりました。

重賞は有力馬血統解説と買い目、リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、通算ではプラス計上の良績を継続することができております。

的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

新型ウイルスは全国的に感染者数の高止まりの状態が続き、他方では、全国的に高温傾向となっており、熱中症対策と新型ウイルス対策との板挟みの状況にありますが、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

(仕事のご依頼はmonaka.sabao.88@gmail.comまでお願い致します)