ここでは、エリザベス女王杯を振り返ってみたいと思います。

 

エリザベス女王杯

1着・アカイイト

父キズナ、形相遺伝として影響が強いのは母母父の母母父と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝6.00であり、激走後は中2週程度は必要。

 

このレースは、京都競馬場の改修に伴って2年連続阪神開催となりましたが、昨年勝利したラッキーライラックは、京都と阪神の両コースで勝利して連覇達成となりましたが、昨年のメンバー中でひと際目立つ520kg台という雄大な馬体を誇り、今年勝利した本馬もメンバー中でひと際目立つ510kg台という雄大な馬体の持ち主であり、京都開催では見られなかったこの傾向は、阪神コースで牝馬が56kgを背負うことがパワフルさを要求される過酷な舞台設定になっていると診ます。

勝利した本馬は、メンバー中で最大馬体重であり、母父由来の横幅も感じる馬体でパドックでも小柄な馬が多い中で目立つ存在でした。

 

レースは、内中外枠に行きたい馬が分かれましたが、中枠のシャムロックヒルが逃げる展開となり、勝った本馬は普段どおりの遅れ気味のスタートも脚色良く前進、最後の直線では、鞍上も慌てる程に早めに先頭に立ってしまう展開からそのまま押し切りG1制覇を果たしています。

 

本馬の形相遺伝対象と診ている母母父の母母父ハイハットは、オールドファンの方であればご存知の方もいらっしゃっるかと思いますが、英国で11戦4勝という戦績があり、オックスフォードシャーSやアリカーンゴールドC、ウィストンチャーチルSなどの勝利や、英ジョッキークラブS2着など、24~3200mという中長~長距離路線で活躍した欧州型ステイヤーという戦績を残しています。

引退後は英国で種牡馬となり、初年度産駒から英1000ギニー馬 Glad Ragsや愛セントレジャー馬 White GlovesといったG1馬を輩出、この活躍から後に本邦輸入され、ステイヤーズSを2勝したフジノハイハットや、ダービー3着のカンパーリなどを輩出しましたが、Hyperion直仔の種牡馬として期待されたほどの活躍はできませんでした。

 

本馬はこのような形相遺伝背景を持つことから、中長~長距離を距離適性とする欧州型と診ますが、この6世代前の先祖を現世に引き出す際の加工調理として、父キズナは良いものの、母父シンボリクリスエスということでパワフルさの加工調理が前面に出ており、牝馬としては雄大な馬体で3000m超という距離は実際的には少々厳しいと感じますが、少なくとも中長距離を最も得意とするタイプには変わらないと診ます。

 

本馬は今回2200m戦を勝利しましたが、これまでの戦績においてこの距離が最長距離でしたが、血統解釈からは更に距離を伸ばして良さが出るタイプであり、これまで18~2000mのレースばかり使われていましたが、これは距離不足の感があり、本馬の持ち味がこれから発揮されるというところでレースが終わっていたと診ることができます。

本馬はやたらと出遅れが目立つ戦績ですが、ゲート不良というよりは、中距離戦では他馬のスタートが速いために相対的に置かれてしまう現象と診ます。

メディアによると、次走は状態次第で有馬記念を目指す方向とのことですが、距離適性や舞台適性的には何等の問題はなく、適性が高い舞台と診ます。

 

 

このレースを血統ペース的に診ると、ロザムールを抑えて中枠から逃げたシャムロックヒルは3代母父 Cherokee Colonyの遺伝活性値が強く、逃げて作り出した Ribot系統の血統的な流れは、この血の特徴である欧州調のタフなペースになりやすく、先週のBCディスタフもこの血統ペースだったことを思い出しましたが、今回の舞台適性と合わせると牝馬には厳しいタイトな流れを作り出しました。

本馬の形相遺伝対象であるハイハット~ Hyperion系統は、この血統ペースと親和性が高く、適合ランク評価も高い評価になります。

本馬以外では2~4着馬も親和性の高い血統背景にあり、今後のネタバレに繋がることから血統詳細は省略しますが、適合ランクも勝ち馬同様に高い評価になります。

更に、補助的要素ではありますが、逃げたシャムロックヒルも1~2着馬もキズナ産駒ということで、1~2着馬は血統ペースへの適合も高い上に、同父というオマケの要素まで備えていたということになります。

 

本馬の陣営からは、予定外の道中早め進出、そして直線で早め先頭という競馬をイメージできなかったという趣旨のコメントを出していますが、血統ペースへの適合が良いということは、馬が血統的に走りやすさを得ることになり、騎手が抑えずに馬任せで走らせると今回のようなスムーズな走りに繋がるという典型例であり、馬は何ら無理をしておらず、陣営は何の心配もご無用です。

その逆に、この血統ペースに適合できなかった有力馬も多く、高い適合を示していても舞台適性に泣いた有力馬など、このレースは悲喜交々に血統ペースが大いに支配していたと診ます。

 

私はこのレース、メルマガ「重賞分析極秘ファイル」において、ロザムールの逃げを想定した上でアカイトリノムスメを本命評価、クラヴェルを対抗評価とし、勝ったアカイイトは特選穴馬として評価しておりましたが、2着ステラリアは血統ペース不適合馬ということで評価できませんでした。

蓋を開ければシャムロックヒルが逃げたことがその原因ですが、ウマイ馬券にて公開したクラヴェルについては、今年のマーメイドSでシャムロックヒルが逃げ切ったレースで追い込んで2着と激走しており、予想の上では代用が効いた形となりましたが、利用者様のお役に立てたという意味で良い公開ができたと考えております。

 

 

さて、その私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらは重賞にリステッドOPまで対象を広げて、買い目まで提供しております。

先週は3重賞とOPリステッドを予想しましたが、メルマガではエリザベス女王杯の複勝とワイド万馬券、福島記念ではワイド、単発記事版ではエリザベス女王杯と福島記念の複勝をそれぞれ的中しております。

メルマガ予想的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

 

世界中を苦しめている新型ウイルスは日本国内では新規感染者が逓減し、日常を取り戻す動きが始まっています。

これに伴って、競馬場への入場者数も規制が緩和され、秋G1シーズンに観客が戻りはじめていることは良い方向と思います。

そして、どうやら今年はJCに3頭の外国馬が参戦するとのことで、久々に国際色を感じるレースとなりそうですが、皆様におかれましては健康管理には留意いただき、秋G1戦線を楽しんでいただきたいと思います。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

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