以前にもご説明しましたとおり、現在、私事多用につき毎週更新できずに大変申し訳ありません。

ここでは、チューリップ賞の勝ち馬について考察したいと思います。

 

チューリップ賞

・ナミュール

父ハービンジャー、形相遺伝は父の母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝5.00であり、激走後は中3週程度は必要。

 

このレースは、阪神JF組が優勢であることは良く知られていますが、有力馬は更に桜花賞の舞台まで同一舞台を3度続けて走ることとなり、あまり面白味を感じない番組編成でもあります。

そのような中で、今年は賞金不足組が1~2着に入り桜花賞優先出走権を獲得、伏兵の2着馬は現下の内有利な馬場状態を突いて最内を伸びており、このレースとしては久々の高配当を演出しています。

勝った本馬ですが、ゲート内で後ろに寄りかかる悪癖から発馬が悪いはずが他馬と五分の発馬を決め、最後の直線では馬群を捌いて2歳女王をあっさり交わして突き抜けて勝利し、賞金加算に成功しています。

大外ブン回しのような極端な走りから脱却して成長を見せ、鞍上は勝って反省の弁を述べていましたが、能力の高さを披露したものと診ます。

 

本馬の形相遺伝対象と診ている父の母 Penang Pearlは、仏国産ですが英愛国で2~4歳時に16戦3勝という成績があります。

重賞での戦績はなく、マイルのリステッド競争オクトーバーSの勝利が最上位の戦績ですが、一般戦で1800mの勝利や、同2000mで2~3着の戦績を残していることから、マイル~2000mに距離適性があったタイプと診ます。

引退後は繁殖入りし、当初は良績を挙げる産駒に恵まれませんでしたが、5番仔として輩出したハービンジャーがキングジョージ&QSを当時のレコードで勝利するなど6勝を挙げ活躍、種牡馬として本邦導入されましたが、この他に良績を挙げる産駒には恵まれませんでした。

 

そのハービンジャーは、種牡馬としてこれまで5頭のG1馬を輩出していますが、その代表産駒であり、海外へ拠点を移してまで活躍したG1馬ディアドラも実は本馬と同様にハービンジャーの母 Penang Pearlを形相遺伝対象としており、16~2000m程度で活躍、秋華賞とナッソーSの中距離G1勝利を挙げています。

本馬とディアドラの馬体を比較するとよく似ており、本馬は現在3歳春の成長過程期で胴体が詰まったマイラーのような馬体ですが、成長とともに徐々に伸びるものと診られ、ディアドラ同様に中距離を中心とした距離適性を持つタイプになると診ます。

 

ハービンジャー産駒は本来は使われながら良さが出る傾向があり、ディアドラも使われながら良さが出たタイプでしたが、本馬の場合は、母が2歳から良績があり、母父ダイワメジャーが米国スピード血統背景から2歳から動ける種牡馬として活躍している背景が影響を与え、新馬から4戦3勝という戦績に現れていると診ます。

本馬の他にも、同様に米国スピード血統を形相遺伝背景や走行ベクトルの影響を受けるタイプは早々に動ける傾向があり、2月のクイーンSを勝利したプレサージュリフトも同様であり、今年の桜花賞は、2頭のハービンジャー産駒に2歳女王を加えた3強となりそうな様相です。

 

 

読者の皆様もお気付きでしょうが、ここ数年ハービンジャー産駒は鳴りを潜めていましたが、今年の3歳馬は先の2頭を含めて活躍馬が現れており、京成杯で1番人気となったアライバルや、同レースで2着したロジハービンなどもいます。

種牡馬ハービンジャーのこれまでの実績としてG1馬を5頭輩出していますが、2014年生まれが3頭、2015年生まれが2頭と偏った輩出となっています。

 

何故このような世代論のような産駒傾向が現れるのか、については、私が研究を続ける中島理論により理解することが可能です。

ここで、中島理論を知らない方のために少々触れたいと思いますが、ここからの内容は、中島氏の著作「血とコンプレックス」「0の理論」からの引用を踏まえて進めることを申し添えます。

 

まず、種牡馬・繁殖牝馬の精子・卵子には遺伝活性値というものがあり、それは種付けのタイミングにより変動し、生まれてくる馬一頭一頭は、自身の先祖のいずれかを形相遺伝対象にして生まれてきます。

どの先祖を遺伝対象とするかについては、父、母父、母母父、そして母母母父のそれぞれの遺伝活性値を求め、最も遺伝活性値が強い父を対象に世代深度を求め、遺伝対象となる先祖に辿り着くことができます。

 

この遺伝活性値というのは8年を1サイクルとしており、起点からスタートした活性値は年々少しずつ活性エネルギーレベルを上げ、8年でその頂点に達します。

頂点に達した後は下降準備期間に入り、馬の場合は個体差はありますが、概ね4週間後には0に戻ります。そして、この下降準備期間において、遺伝活性値はピークよりも更に強まるとされています。

(私の研究では、1~2週間程度で0に戻る種牡馬もいます。)

 

この遺伝活性値が0に戻るタイミングを利用する配合方法は「0遺伝配合」とされ、資質の固定が図られる優れた配合手法ですが、8年1サイクルということは、種牡馬が満8、16、24・・と8の倍数の満年齢時に限って現れる現象です。

馬齢は、学年的な考え方で便宜上1月1日に一斉に年齢を重ねますが、実際には誕生日が来ることで年齢を重ねることになります。そして、下降準備期間の考え方も、具体的には各馬の誕生日が基準となります。

しかし、遺伝活性値は同時に生体エネルギーでもあることから、この年齢の種牡馬は体調・体力も一番低く、受精率も低い年齢とも言えます。

この下降準備期間終了後の遺伝活性値が0に戻ったタイミングでの交配が0遺伝配合となりますが、この効用には、

 

 ① 遺伝対象として影響を及ぼさないの意で「不存在」とすることで、先祖数を減

   らし血の純度を高めて資質の固定が図られる。

 ② 近親交配の弊害を回避することができる。

 ③ 産駒数が多く血が溢れ返っている種牡馬について、その牡馬産駒の闘争本能を

   活性化できる。

 

といった点が挙げられます。(他にもあるのですが、専門詳細過ぎるので割愛。)

 

この8年サイクルをハービンジャー産駒に当てはめると、ハービンジャーが満7歳という遺伝活性値がとても強い年齢の種付けで輩出したのが2014年産駒であり、満8歳という前出の0遺伝配合により輩出されたのが2015年産駒となり、遺伝活性値がとても強い年と、優れた配合手法である0遺伝配合が成立する年にG1馬を輩出しています。

そして、2サイクル目に入った1年目の現6歳世代(2016年生)、2年目の現5歳世代(2017年生)、3年目の現4歳世代(2018年生)を診ると、2016年産駒がG3を計4勝したのみという状況です。

これは、8年サイクルの序盤1~3年目ということでハービンジャーの遺伝活性値が低いことが影響しており、形相遺伝対象にならないのは当然のこと、父として走行ベクトルに与える影響も乏しいことを表しています。

そして、現3歳世代(2019年生)は8年サイクルの中盤4年目で遺伝活性値が上がってきており、本馬のように、父方を形相遺伝対象にできる産駒が出始めていることが徐々に活躍馬の輩出に繋がっています。

 

今後3~4年は、更に遺伝活性値が上がるため、ハービンジャーらしい産駒が増えることとなりますが、非サンデー系・非キンカメ系として期待された種牡馬も産駒数が増えて既に賞味期限を迎えており、古馬になっても走るのは牝馬に限られると診ます。

 

 

話がやや脱線しますが、この8年というサイクルについて、人間の厄年が、8で割り切れる満年齢を数え年に直した年齢に概ね該当することに気付かれた方もいらっしゃるでしょう。

人間の厄年もおそらく決して根拠の無いものではなく、先人による膨大な経験観察から育まれた、立派な生きる知恵の積み重ねの産物と思われます。

なぜ「厄」年と呼ばれるのかと言えば、その年齢の前後で生体活力・生体エネルギーが著しく上下することにより、行動や情緒が不安定になったり、病気に罹患しやすくなったりする現象が他の年齢より多く見られるからでしょう。

現代の人間は、社会的人工的なリズム・サイクルに支配されていて、自然なリズム・サイクルからは切り離されているように感じますが、やはり、自然のリズム・サイクルからは逃れられないものと診ます。

 

それにしても、本馬の母サンブルエミューズは、昨秋BCディスタフを制して日本競馬界における歴史的快挙を成し遂げたマルシュロレーヌと姉妹の関係にあり、桜花賞馬キョウエイマーチを輩出以降廃れていた準在来牝系のシユリリー牝系が注目されており、この牝系から再び桜花賞馬が輩出されるか注目したいと思います。

 

 

さて、私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらは重賞にリステッドOPまで対象を広げて、買い目まで提供しております。

メルマガ予想的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

世界中が新型ウイルス対策に苦慮している最中に、ロシアのウクライナ侵攻という暴挙が起きてしまい、世界中が震撼しています。

日本では平和の下でコロナ禍にあっても競馬が行われることについて、私は改めて感謝の念を抱くとともに、ウクライナに平和が訪れることを祈るばかりです。

いよいよ3月を迎え、3歳クラシックロードが本格化してきましたが、まだまだ寒い気候の最中にありますので、皆様におかれましては新型ウイルス対策を含めて、健康管理には留意いただき、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

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