以前にもご説明しましたとおり、現在、私事多用につき更新頻度が減っており大変申し訳ありません。

ここでは、宝塚記念を振り返ってみたいと思います。

 

宝塚記念

1着・タイトルホルダー

父ドゥラメンテ、形相遺伝として影響が強いのは母と診ています。

ローテ的体力は料的遺伝2.50であり、激走後は中8週程度は必要。

 

今年のこのレースは、海外遠征組の帰国参戦などがあって珍しくフルゲート戦となり盛り上がりを見せましたが、ファン投票数も増えて今年の1~2位は従来のオグリキャップの最多記録を大幅更新する票を集めました。

ネット投票が普及して気軽に投票できることが大幅増に影響していますが、そう考えると、はがき投票の時代だったオグリキャップの票数は特異であり、改めてオグリキャップの人気の凄さを感じます。

今年も昨年に続いて開催2週目に行われましたが、梅雨時ながらこの影響を受けずに馬場コンディションは良好であり、パンサラッサがハイペースで牽引したことが大きく寄与していますが、コース及びレースレコードが叩き出され、2着馬も従来レコードを更新しています。

勝った本馬は、長距離路線からの距離短縮の上に、パンサラッサが牽引するハイラップの流れに対応できるのかと診られましたが、堂々と番手に控えて5F通過57.6秒にも戸惑うことなく、最後は力強く抜け出して快勝しています。

 

ファン投票1位ながら単勝は2番人気でしたが、今年のG1戦線の1番人気の呪いも回避?できたことも良かったのでしょうか。

昨秋のG1戦線は1番人気がそれに応えて勝利するレースが多かったものの、今年は一転して1番人気が勝てない状況が続いて上半期G1全敗、本馬にしても天皇賞・春も今回も2番人気であり、そもそも1番人気を作り出す予想要因は何か、という既存の予想手法を見直す議論も起きているようです。

 

 

さて、血統考察に入りますが、本馬の形相遺伝対象と診ている母メーヴェは、英国産ですが本邦輸入され、2~4歳時に中央で22戦5勝という成績を残しています。

未勝利勝ちは6戦目のダート1200m戦でしたが、その後は主に中距離路線で走り、更に距離を延ばして北海道シリーズでお馴染みの2600m戦のOP特別を勝利し、アルゼンチン共和国杯9着を最後に引退しています。

3歳戦線ではチューリップ賞や紫苑Sにも参戦しましたが、善戦どまりの戦績に終わり、G1戦線への出走はありませんでした。

このメーヴェを更に調べてみると、自身の3代母の父で英チャンピオンSなどの勝利がある Lorenzaccioの遺伝活性値が強く、札幌2600m戦を勝利しているものの、血統本質的には長距離型ではなく、中距離を中心に中長距離までを守備範囲としていたタイプと診ます。

本馬はこのような形相遺伝背景を持つことから欧州型の中~中長距離に距離適性を持つタイプと診ます。

 

菊花賞と天皇賞・春という長距離カテゴリーのG1を両方制覇していることから長距離タイプに見られますが、両レースとも逃げて中盤を歩くようなペースに落とすことに成功したことで対応できたものであり、血統本質的には長距離型ではないと診ます。

本馬は欧州型と述べましたが、欧州型にしては逃げ先行タイプに出ている面白いタイプですが、これは本馬の形相遺伝系統であり、母父でもある Motivatoaに由来するものと診ます。

この Motivatoaは英ダービー馬ですが、父モンジューに母父 Gone Westという、欧州追込みタイプと米国逃げタイプの組み合わせで輩出されており、私に言わせれば、実験的な興味配合により生産されましたが、どんなキャラクターが出るかと診られたところ、欧州型の先行タイプというキャラクターが表れ、英ダービーも先行して最後は2番手から抜け出して勝利という内容でした。本馬が逃げ先行タイプに出ているのは、まさにこの血の特徴が出ていると診ます。

 

そして、本馬と言えば、このレースにファン投票枠で参戦した半姉メロディーレーンがいることでも知られますが、この半姉メロディーレーンは母母の父で英愛ダービーを制した Shirley Heightsの遺伝活性値が強く、Shirley Heights及びその先祖を遺伝対象先祖とすることから、欧州型の中長~長距離タイプであり、半弟とは違って差し追い込み型に出ています

このように、兄弟間でキャラクターが異なることは全兄弟でも頻繁にあり、血統の面白いポイントだと思います。

この遺伝対象先祖の解析方法は中島理論に基づくものですが、複雑な解説が必要となりますので、ここでは割愛いたします。

 

それにしても、欧州質の本馬が米国質のパンサラッサが逃げるハイペースのラップに苦も無く対応したのは驚きましたが、この2頭は昨年の有馬記念で対戦しており、その際も今回同様にパンサラッサが逃げて本馬が2番手という同じ展開でしたが、本馬は最後の直線で先頭に立ったものの押し切れずに5着に終わっています。

本馬にとってパンサラッサが作り出す血統ペースは適合が良く、私の判定は有馬記念も宝塚記念も適合ランクAという高いものでしたが、ラップタイム的には有馬記念の5F通過59.5秒に対して、宝塚記念は5F通過57.6秒と大きく違いましたが、2度目のパンサラッサのペース経験で驚きの対応力の向上と言うしかありませんが、馬に限らず、生物全般が持っている学習能力の重要性を改めて認識した次第です。

 

本馬は今回の勝利により、陣営から凱旋門賞へ正式参戦の発表があり、どうやら直行ローテとなるようです。

これで今年は既報どおりダービー馬ドウデュースも参戦、そしてディープボンド陣営が今年も参戦するかどうかですが、以前から日本のホースマンの間からは、凱旋門賞に強い逃げ馬を参戦させたいという声が上がっており、本馬の参戦はこれが実現する参戦となりそうです。

確かに欧州競馬には強い逃げ馬というのは存在せず、欧州ではルール上認められている、勝つ意志が無い存在のラビットをペースメイカーとして出走させるほど逃げることを嫌う、差し追い込み重視の競馬です。

この間隙に目を着けることは好着想ですが、日本人の脳裏には「エルコンドルパサーの悲劇」が焼き付いており、何の因縁か、母父にエルコンドルパサーを差し切ったモンジューの血を持つ本馬がどのような走りを見せるのか、楽しみにしたいと思います。

 

 

それから、1番人気に押されて6着に終わったエフフォーリアについて、道中は中団で運んだものの早い段階から鞍上の手が動き出し、追走に苦労する中で形作りのように差を詰めただけの6着に終わっています。

今年初戦の大阪杯で9着に敗れ、それでもブリンカー装着で臨んだ最終追切を見て本馬を本命評価した予想やメディアも多く、1番人気に押されましたが応えることができませんでした。

レース後の鞍上からは追走が難しかった趣旨のコメントが出ていますが、はっきりとした敗因が掴めないでいるようです。

 

この敗因について、私はメルマガ「重賞分析極秘ファイル」において、大阪杯の予想考察の際に本馬には3つの不安材料があることを指摘し、これが原因で勝利するのは難しいと指摘して評価を3番手まで下げた考察を公開しましたが、結果はそれを上回る9着に終わり、そして、今回公開した考察では、ブリンカーを装着した程度では大阪杯で露呈した3つの不安材料は解消せず、今回も好走は難しいと指摘して4番手評価としておりましたが、結果はそれを上回る6着に終わっています。

 

この内容について、昨年の年度代表馬の深部に触れる内容ですので、メルマガ読者様の利益保護の観点を踏まえてここでは公開することはできませんが、私がこのブログで繰り返し述べてきた内容から1つだけヒントを示しますと、成長過程期である2~3歳と、成馬となる4歳では馬が違うということです。

このことは、馬を起用する陣営によって理解度が異なる印象があり、理解が及んでいる陣営もあれば、変わらずに同一視して扱う陣営もあり、このことで馬の走りに影響が及ぶことは残念な限りです。

私が公開した本馬の3つの不安材料のうちの1つはこれに関することであり、陣営には3歳時の内容に囚われることなく、新たに練り直していただきたいと思います。

 

もしも陣営の方がこのブログをお読みであれば、私で宜しければ、3つの不安材料解消のアドバイスを致します。年度代表馬が苦悶している状況は不憫でなりません。

ちなみに、血統ペース適合については、今回同様にパンサラッサが逃げた有馬記念で本馬は勝利しているように血統ペース適合を示しており、血統ペースが敗因ではありません。

 

 

さて、その私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらは重賞にリステッドOPまで対象を広げて、買い目まで提供しております。

先週は宝塚記念とOPリステッドを予想しましたが、宝塚記念はデアリングタクトを本命評価、ディープボンドを対抗評価とし、タイトルホルダーとヒシイグアスはヒモ穴評価まで、キングオブコージを特穴評価としておりました。

メルマガ予想的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

新型ウイルス感染状況にすっかり慣れたこともあるのか、行動緩和の動きがかなり進んでいる一方で、ロシアのウクライナ侵略など複合的な要因で物価高騰や食料供給不安が生じており、多方面に渡って様々な影響が広がって世界中が震撼しています。

日本では平和の下でコロナ禍にあっても競馬が中断されることなく開催されていることについて、私は改めて感謝の念を抱くとともに、ウクライナに一日も早く平和が訪れることを祈るばかりです。

梅雨真っ只中と思いきや、地域によっては高温傾向で早々に梅雨明けということで、皆様におかれましては健康管理には留意いただき、夏競馬を楽しんでいただきたいと思います。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

(仕事のご依頼はmonaka.sabao.88@gmail.comまでお願い致します)