ここでは、ヴィクトリアマイルを振り返ってみたいと思います。

 

ヴィクトリアマイル

 1着・アーモンドアイ

 父ロードカナロア、形相遺伝は母と診ています。

 ローテ的体力は料的遺伝3.50であり、激走後は中6週程度は必要。

 

今年のこのレースの最大のポイントはアーモンドアイの参戦でしょう。

このレースは近年このような存在の参戦はありませんでしたが、世界を襲った新型肺炎ウイルスの影響で3月のドバイミーティングが中止、陣営としては春の代替のような形での参戦でしたが、終わってみれば「強さは美しい」の一言の圧勝劇でした。

それにしても好発を決めて4番手につけ、最後の直線では、ほぼ馬なりのノーステッキの走りには脱帽です。

今春のG1戦線は1番人気馬が苦戦しており、勝ったレースでもヒヤヒヤする場面がありながらの勝利ですが、全く危なげなしの快勝劇は久しぶりに見た気がします。

 

本馬の血統面については、これまでも何度も触れてきましたが、形相遺伝の対象である母フサイチパンドラの遺伝背景について調べてみると、母母の父 Buckpasserを経由して Equipoiseを辿る形相遺伝背景を持っています。

本馬が今回をはじめ、左回りのオークスやJCで位置取りの良さを見せていた一方、勝利している右回りのレースでは後方からの位置取りになっていたのは、この米国血統を遺伝背景に持つことに由来するものと診ています。

そして、Buckpasserも Equipoiseも米国的なスピード豊かな血統であり、日本の血統にも大きな影響を与えていますが、本馬がJCで驚愕のレコードを叩き出し、天皇賞秋や今回のレースでもレコードに迫るタイムを叩き出した源泉と診ています。

この遺伝背景に父ロードカナロアを迎えて本馬が出来ているのですが、父と形相遺伝背景の血のキャラクターが合致していること、配合メリットを備えていることが、本馬の強さの要因と言えるでしょう。

 

本馬は昨年の有馬記念で大敗していますが、前出のとおりサウスポーである本馬は、右回りではスムーズにコーナリングが出来無いタイプであり、左回りでの走りと同じような位置取りから抜け出すという走りをしてしまい、この無理が祟って最後は脚勢を失ってしまったことが大敗の要因と診ます。

私は有馬記念の際のメルマガ配信予想において、本馬にとって最も危険な舞台であると指摘し、評価を下げた予想を公開しましたが、ここまでの大敗は意外でした。

このブログでも何度か触れてきましたが、形相遺伝対象として米国型を持つ場合、所謂サウスポーに出る傾向があり、その裏返しとして右回りではパフォーマンスを落とす傾向が有ると述べてきましたが、これまでこのブログで本馬を考察した際、左回りと右回りでは位置取りが違うことについては指摘しておりました。

 

今回圧倒的パフォーマンスを披露した本馬は年内一杯で引退と伝えられていますが、現在の世界情勢からは海外遠征も難しいとなると、国内専念を考慮すると残りは限られてくると診ます。

 

 

さて、ここで私がこのレースを血統ペース的にどのように診たか、ということについて触れたいと思います。

私の予想は、まず出走各馬について中島理論に基づく血統解釈を行い、各馬の形相遺伝対象を診ます。

そして、想定逃げ馬が逃げることによって作り出す「血統ペース」について、逃げ馬の形相遺伝対象と父から診ます。

それから、逃げ馬以外の出走馬がこの「血統ペース」に適合できるかどうかについて診ます。

この時点で逃げ馬が作り出す「血統ペース」に適合できないと診断された馬は、例えて言えば「予選落ち」の存在となります。

そして適合できると診断された「決勝リーグ進出」と言える出走馬について、血統ペースの適合具合、血統的舞台適性、ローテ的体力(料的遺伝)、コンプレックスの有無、牝馬であれば体調面、休み明けについては磁場変動の状態、シーズンによって古馬戦であれば牡馬の闘争本能などについて診ます。

 

ここでは、まず「どの馬が予選敗退で決勝リーグ進出なのか」という段階について進めてみます。

 

逃げ馬:トロワゼトワル

     父:ロードカナロア、形相遺伝対象:母母

     逃げて作り出す血統ペース

      形相遺伝対象から Caro~ Grey Sovereign系統のペース

 

そして、トロワゼトワルが逃げて作り出す血統ペースへの適合判定について、逃げ馬以外の取消し馬2頭を含む合計17頭について以下のような診断となります。

なお、各馬の形相遺伝対象などについては、メルマガ内容のネタバレに繋がることから、ここでは割愛しています。

 

 <適合できる馬A>

   ダノンファンタジー

 <適合できる馬B>

   ディメンシオン、アルーシャ

 <適合できる馬C>

   ラヴズオンリーユー、スカーレットカラー、サウンドキアラ

 <適合していない馬だがキャンセル待ち可>

   アーモンドアイ、メジェールスー

 <全く適合していない馬>

   その他9頭

 

適合できる馬をABCの3段階としていますが、逃げ馬の形相遺伝系統に近ければ近い程、適合程度が上がることになります。

そして、キャンセル待ちとして扱っている馬は「適合できる馬」に前出のような走らない不安材料が生じている場合に、空いた椅子の順番が回ってきて繰り上がる可能性がある馬です。

これは、形相遺伝系統は適合していないものの、父+母父の組み合わせが逃げ馬と相似関係を示している場合などがあり、弱い適合具合となることからキャンセル待ちとして扱います。今回で言えば、父ロードカナロア+母父サンデー系の組み合わせになります。

しかし、アーモンドアイという能力が突出している現役最強馬がここにいるということは、あの走りからは、この馬にはこの程度で十分だったことになります。

そして、全く適合していない馬となった9頭は、キャンセル待ち対象にもならず、予選敗退となります。

 

そして、トロワゼトワルが逃げて作り出す血統ペースへの適合判定について、予選を通過した逃げ馬を含む9頭について、凡走に繋がる不安材料を考察します。

 

 <適合できる馬A>

   ダノンファンタジー  形相遺伝対象は2~3歳時の活躍で終了

 <適合できる馬B>

   ディメンシオン    前走激走から料的遺伝が不足(出走取消)

   アルーシャ      女性期間に入っており体調面不安

 <適合できる馬C>

   ラヴズオンリーユー  形相遺伝背景はマイル適性不安

   スカーレットカラー  形相遺伝背景はマイル適性不安と高速馬場対応不安

   サウンドキアラ    左回り不安と大外枠

 <適合していない馬だがキャンセル待ち可>

   アーモンドアイ    特になし

   メジェールスー    女性期間に入っており体調面不安

 <逃げ馬>

   トロワゼトワル    レコード大激走から癒える目安の5~6月程度経過

 

上記のように予選通過馬を見てきましたが、アーモンドアイ以外は何らかの不安材料を抱えており、勝たれても仕方ないメンバー構成となりました。

そして、アーモンドアイ以外の馬については、結果から診ると、不安材料の深刻さが軽い順に入線しているような印象を受けます。

それから、3着には予選落ちの判定となったノームコアが入っています。

外枠に入って通常なら惨敗も有りうるところを3着まで食い込んできたあたり、昨年のこのレースの覇者という能力の高さを示したものと診ます。

それでも、逃げる12番人気トロワゼトワルを最後の最後にやっと交わした3着ですので、やはり血統ペースの不適合が足枷となった3着と診ます。

今回のような不向きな逆境下において、これを跳ね除けて激走するような走りを見せることは、能力が突出していると診ることができますので、血統ペース理論は能力判定にも使える理論と考えております。

 

私はこのレース、メルマガ「重賞分析極秘ファイル」において配信した予想は、コントラチェックの逃げを想定した上で、本命プリモシーン、対抗アーモンドアイとしておりましたが、肝心のコントラチェックは逃げることが出来ませんでした。

レース後、トロワゼトワルの鞍上からは「他馬が行かないので行った」という趣旨のコメントがあり、コントラチェックの鞍上からは「内で主張されたので控えた」という趣旨のコメントが出ていました。

肝心のトロワゼトワルはゲート好発を決めており、両鞍上ともこれが基準となって即座に状況判断したと思われますので、戦前のトロワゼトワル陣営から出ていた控える趣旨のコメントは参考程度にするべきだったと反省しています。

 

 

 さて私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

先週は、ヴィクトリアマイル他に京王杯SCを予想評価しました。

ヴィクトリアマイルでは、前出のとおり2番人気プリモシーンを本命評価、勝った1番人気アーモンドアイを対抗評価、特選穴馬として最低16番人気サトノガーネットを用意いたしましたが、不発に終わりました。

また、京王杯SCでは6番人気ストーミーシーを本命評価としましたが、まさかのダノンスマッシュが逃げる展開となり、不発に終わってしまいました。

 

それから、現在姉妹メルマガとして「重賞分析極秘ファイル・買い目プラス」をレジまぐにて展開しておりますが、こちらはリステッドOP競争まで対象として買い目まで提供しております。

こちらは、前出の2重賞の他にOPリステッドを2レース予想しましたが、良績を挙げることが出来ませんでした。

リステッドOP競争は印と買い目のみとなりますが、通算では良績を継続することができております。

的中の実績については、サイトで無料でご確認頂けますので、一度お試しいただけますと幸いに存じます。都合によりブログ内にリンクを貼ることができませんが、レジまぐ内にてご検索願います。

 

新型肺炎ウイルスの蔓延は世界中に広がり、そしてその対策と日常ではない対応が求められ、現在も世界が混乱しています。

そして、全国に発出されていた緊急事態宣言は39県で解除されて日常を取り戻す動きが出ており、自粛の努力が少しずつ実りつつあります。

それでも、気のゆるみが再度の感染拡大にも繋がることから、皆様におかれましては体調管理には十分に留意していただき、引き続き競馬場に行くことはできませんが、競馬を楽しんでいただきたいと思います。

私も体調管理に気を付けながら、引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

(仕事のご依頼はmonaka.sabao.88@gmail.comまでお願い致します)